修羅之樹学園異聞 義眼と旅する男
死屍累々の戦場に、刀折れ矢尽き、満身創痍の男あり。
刀傷の痛み耐え難し。
名を柳生十兵衛という。
武勲をあげ、楽隠居をきめこむつもりであったが、予定が大幅に狂った。
もはや柳生十兵衛、一巻の終わりか。
負け戦ほど悲しく惨めな事は無いものよ。思えば、よく動き遊んだ。
未練はない。
だが、今一度故郷に戻り、今度は戦のない世界で、のどかに暮らしたいものだとも思う。
もはやピクリとも身体は動けぬ。
しだいに意識が遠のいて行く。
同時刻。
宿主を求め、さまよい漂う球体状の生物兵器がいた。遥か彼方より飛来したこの
しかし、矢鱈とジャンプできる機能のみに特化しており、攻撃力・防御力はなく、目的地に到達する精度も決して高くはない。他の
生物兵器は、柳生十兵衛に近づくと、宿主としての適性があるかをしばし観察し、品定めをする。
因縁浅からぬとみた。
生物兵器は、柳生十兵衛の眼帯に潜り込み、刀傷へ
治癒効果ゆえか、柳生十兵衛は気持ちがとても安らいでいく。
どれだけ時間が経過しただろうか。
柳生十兵衛はついに目覚めた。
もう朝か。なにやら妙な夢を見ていたようだな。おっと今日は「登校日」か。気合を入れて学問に励まねばな。
修羅之樹学園、魑魅魍魎の巣窟と聞くが、お手並み拝見。
脚注
元々の柳生家の家紋「地楡(われもこう)に雀」に加え、副紋として坂崎家の二蓋笠(にがいがさ)を加えて使い続けている。これが後に「柳生二蓋笠」と呼ばれる紋となった。
wikipedia 「柳生宗矩」より引用
ウチの学園に転校してくる戦国武将がニッチすぎる件 @tonchi_books
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ウチの学園に転校してくる戦国武将がニッチすぎる件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます