社会人に優しいギャルに癒されるだけの時間 ~二人暮らしの従妹ギャルとの癒され生活~

中野砥石

第1話 ギャルがただただ料理をして癒すだけ

//SE 扉が開く音

真理愛の声の向き:正面 距離:遠い


「あ、おにーさん。おかえりー」//明るい声


//SE スリッパの音:遠くから普通

真理愛の声の向き:正面 距離:遠くから普通


「お仕事、おつー」

「今日は思ったより早かったね」//少し嬉しそうに


//SE カバンを受け取る音

真理愛の声の向き:正面 距離:普通


「いつもは夜遅くまで帰ってこれないのに」


一拍置いて


「へえ、今日はお仕事がチョー早く片付いたんだー」

「じゃあ、今日は家でゆっくりできるんだね」//少し嬉しそうに


一拍置いて


「……」//嬉しそうな吐息

「よかったー」//安心したような感じ


「でもチョー早く帰ってきたから」

「ごはんの用意まだできてないんだよねー」//ちょっと苦笑気味に


「……」//吐息交じりの苦笑

「あ、ごめんね。玄関で話しちゃって」//少し申し訳なさそうに

「部屋でゆっくりしたいよね」

「さ、リビングでゆっくりしててよ」


//SE スリッパの音

真理愛との距離は変わらない


「今からごはんの用意再開するから」//明るい声

「もう少しだけ待ってて」


一拍置いて


真理愛の声の向き:右前 距離:ちょっと遠い


「え、手伝ってくれるの?」//少し驚いたような様子


一拍置いて


「ダイジョーブ」//はきはきした声

「おにーさんはお仕事で疲れてるでしょ」

「少しは自分の体を休めてもバチはあたらないよ」


「それに、おにーさん」//少し心配そうな声

「前より顔色がよくなり始めてるのに」

「ここで頑張りすぎちゃうとまた元通りだよ」


「今はしっかり休んで」//優しそうに

「もっと体調がよくなってから手伝ってくれたらいいよ」


「今はおにーさんのその気持ちだけでうれしいから」//嬉しそうな声

「……」//嬉しそうな吐息


一拍置いて


「わかればよろしー」//はきはきした様子で

「それじゃ、リビングで休んでて」


//SE スリッパの音:普通から徐々に遠くへ

//SE ソファに腰かける音


「じゃあ、ごはんをつくるぞー」//元気のよい感じ


一拍置いて


//SE 食材を切る音


「おにーさん」//明るい声

「今日はミルフィーユ鍋を作ろうと思うんだけど」

「おにーさんはどんな味付けがいい?」


一拍置いて


「……」//少し不満そうな吐息

「あたしが決めていいは料理を作る人にとって一番困る返事だよ」//少し不満げに


「醤油味がいいとか、ゴマ風味がいいとか」

「決めてもらえた方があたしは楽なんだよね」


一拍置いて


「うんうん」//息交じりの小さなうなずき

「醤油味ね」//明るい声

「教えてくれてありがとー」


「ここの家主はおにーさんなんだから」

「あたしに気を遣わなくていいよ」

「おにーさんが決めていいんだから」


一拍置いて


「でも、そういう気を遣ってくれるところ、あたしは嬉しいな」

「……」//嬉しそうな微笑みの声


「それじゃ、ちょっと待っててね」

「って言っても、お野菜とお肉を切って重ねて並べるだけだから」

「とても簡単なんだよね」


一拍置いて


「え、それでもすごいって?」//少し驚いたような声


「そう言ってくれるのは嬉しいな」//嬉しそうな声

「そんなに甘やかしてくれるなら」


「あたしもおにーさんを甘やかしてあげようかな?」//少し悪戯っぽい声

「……」//嬉しそうな微笑みの吐息


一拍置いて


「え?」//驚きの声


「いつ見てもあたしの見た目と家事力がかみ合わないって?」


「ははは」//おかしそうな笑い声


「だよねー」//明るい声

「あたしもそう思う」


「前におにーさんと再会した時も言ってたよね」

「こんなギャルみたいな見た目の女の子が家事出来るのが意外って」


「ふふっ」//小さく笑う声


「これでも小さい頃はおかーさんのお手伝いしてたから」

「一通りの家事はできるんだよねー」

「これもギャップって感じでいいでしょ?」//少し自慢げに


一拍置いて


「ふふっ」//嬉しそうなくすくす笑い

「やっぱりおにーさんは優しいね」//嬉しそうな声


//SE 野菜を切る音

数秒置いて


「よし、食材を切り終わったし、あとは」


一拍置いて


「お鍋に並べて」


//SE 調理酒と醤油を注ぐ音

「お酒と醤油をすこーしかけて」


//SE 顆粒だしを振りかける音

「おだしの顆粒を振りかければ」


一拍置いて


「よし、あと火にかければかんせー」

//SE ガスコンロに火が点く音


「さーて、あとは待つだけだから」

「おにーさん。ちょっとお話し相手になってくれる?」


「あたしは後片付けしながら話すから」

//SE お皿同士が当たる音


一拍置いて


//SE 聞き手がキッチンに近づいていくスリッパの音


一拍置いて


真理愛の声の向き:左 距離:少し近い

「どう?」//ウキウキしながら尋ねる声

「いい匂いするでしょ?」


一拍置いて


「でしょ」//嬉しそうな声


「隠し味にショウガとごま油を入れてみたんだー」//ウキウキしながら

「おにーさんの体がもっと良くなるように入れてみたの」


一拍置いて


「あたしがおにーさんのマンションに居候することになった初めの頃」

「おにーさん、今よりも顔色が悪かったよね」//少し心配そうに


「初めて見た時、おにーさん、ホントにいつ倒れてもおかしくない感じだった」


「顔色よくなかったし」

「ふらふらしてる時もあって」

「とっても心配だった」//心配そうに


「お仕事で忙しいのに、頑張ってるのはすごいと思う」

「だから、あたしのできることでおにーさんの体をいたわってあげようと思ったの」


「少しずつおにーさんの顔色とか体調がよくなってるのを見ると」

「あたしも嬉しくて」

「……」//苦笑気味の吐息


一拍置いて


「ありがとう、なんて」//苦笑交じりの声

「あたしがしたいことしてるだけだし」


一拍置いて


「けど無理はしないでね」//真剣味のある声


一拍置いて


「約束だよ」


//SE 鍋がぐつぐつする音

「あっ、そろそろ出来上がったかな?」


//SE 鍋の蓋が開く音

「うん。お肉にも火が通ってるし」

「ちょっとだけ味見を」


//SE 鍋から小皿にだしを移す音

「……」//小皿に掬っただしの味見ですする音


「うん。いい感じ」//ウキウキな声

「おにーさんも味見してみる?」


一拍置いて


「え、間接キスだからって」

「へえ」//悪戯っぽく


「おにーさん。大人なのに意識するんだー。へー」//小悪魔っぽく

「ふふっ」


「わかったよ。おにーさんはごはんまで楽しみにしてて」//ニコニコしながら

「というわけで、ミルフィーユ鍋のかんせーだね」

「それじゃあ、冷めないうちに食べよ、おにーさん」

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