第2話 ギャルがただただ一緒にごはんを食べながら癒すだけ
//SE テーブルの上に鍋が置かれる音
真理愛の声の向き:正面 距離:普通
「それじゃあ、一緒に食べよ」//明るい声
//SE 椅子が動く音
「それじゃあ」
//SE 合掌した時の音
「いただきまーす」
//SE お皿と箸が当たる音
「取り分けるから、受け皿貸してくれる?」
一拍置いて
「はい。ちょっと待っててね」
//SE 鍋から取り分ける音
三~四秒ほど置いて
「はい。どうぞ」
//SE 受け皿と箸が当たる音
「どう。味は?」//興味津々な感じで
二~三秒ほど置いて
「よかったー」//安心したような声
「やっぱり食べてもらう人に美味しいって言ってもらえるのって」
「チョー嬉しい」//嬉しそうな声
「それじゃあ、あたしも食べようかな」
//SE 鍋と箸が当たる音
二~三秒置いて
「んん~、チョー美味しい~」//舌鼓を打っている感じで
一拍置いて
「それに、やっぱりおにーさんと一緒に食べてるから美味しんだと思うんだ」
「……」//嬉しそうな微笑み声
「一人で食べるよりも、人と一緒に同じもの食べてる方が美味しいよね」
「おにーさんはどう?」
一拍置いて
「おにーさんもそうなんだね」
「それならよかったー」//安心した風に
「一人で食べる方がいいって言われたら」
「悲しくなっちゃうから」
「そう言ってもらえてホントによかった」//安心したように
「今までは実家で家族と食べてるのが普通だったから」
「学校の近くにあるおにーさんのマンションに居候してから」
「おにーさんの反応を見るのが楽しいんだよね」
「……」//ニコニコしたような吐息
「お料理を食べて感想をもらうのも楽しいし」
「なにより、ごはん食べて元気になるのを見るのがチョー楽しいの」//嬉しそうに
「あたしが居候する前まで、コンビニのお弁当だったり」
「何も食べないでいるって聞いた時は驚いたよ」
「それ、マ⁉ って感じだった」
「だからあたしが何かの力になってるならうれしいし」
「作った料理を食べて元気になってくるのもうれしいし」
一拍置いて
「え?」//少し驚いたように
「料理できるってことは周りのクラスメイトからすごい、って言われるよ」
「ほかの友達はみんなおかーさんとかが料理するみたいだから」
一拍置いて
「うん。たまーに料理教えて、って言われる時もあるかな」
「でも、料理って結局、習慣的にやり続ければうまくなるから」
「料理を教えた後はあたしにできることないんだよねー」
「だから、美味しく食べてもらうって、料理を続けるのに大事だと思うんだ」
「あたしが今も料理を続けられるのって」
「おにーさんが美味しく食べてくれるおかげだよ」
「……」//恥ずかしそうに微笑む感じ
一拍置いて
「あ。そう言えば」//思い出したような声
「おにーさんが帰ってくる前におかーさんから連絡があったんだけど」
「調子はどうって聞かれたんだ」
「確かにおにーさんのマンションで生活することになってから半年くらい経つけど」
「さすがに親元を離れて生活してると親は心配するんだね」
一拍置いて
「だよねー」//同意したような感じで
「まあ、おにーさんがあたしの親に信用されてるから」
「あたしをここに置いてもらえてるのは確かだね」
「そうじゃなかったら、男の人の家にあたし一人で同居させるわけないもんね」
「そう言う意味だと、おにーさんってあたしの両親に信頼されてるよね」
一拍置いて
「そうだね。おにーさんはまじめだし、人の嫌なことは絶対しないし」
「それだから、逆に心配な時のもあるんだよね」//ちょっと心配そうに
「なんでも人一倍頑張っちゃうから」
「肩の力を抜く時がないように見えるんだ」
「せめて一緒にいるあたしには力を抜いてくれてもいいんだよ?」//少し真剣そうに
「充分に力を抜いて接してるって?」
「そっか」
「そうしてくれてたんだ」//安心したように
「……」//嬉しそうな吐息
「よかった」//嬉しそうに
「けど、もっと力を抜いてくれてもいいんだよ」
「その方があたしもうれしーな」
一拍置いて
「検討してくれるだけでもよかったよ」
「けど無理してまでそうしなくていいよ」
「おにーさんがリラックスできないと元も子もないんだから」
「無理のない範囲で力を抜いてくれたらいいから」
「これでお仕事も無理のない量を抱えなければ心配ないんだけど」
一拍置いて
「そう言えば」
「今日は早く仕事の方が終わったって言ってたけど」
「どうして今日は早く仕事終わったの?」
一拍置いて
「えっ、頑張って今日の分のお仕事終わらせたの?」
「聞くのもおかしいんだけど」
「どうして今日は早くお仕事終わらせたの?」
//SE 袋がこすれてごそごそする音
一拍置いて
「はいって、どうしたの、この袋?」
一拍置いて
「開けてみてって」
//SE 袋の中身を開ける音
「これって、プレゼント?」
一拍置いて
「え、あたしの誕生日、覚えてくれてたの?」
「それでこれをプレゼントしてくれたの?」
一拍置いて
「うん。じゃあ、中身を開けるね」
//SE 袋がすれる音
「これって、保湿クリーム?」
一拍置いて
「洗い物で手が荒れちゃいけないって」
「だからプレゼントしてくれたの?」
「……」//嬉しそうな吐息
「ホントによく見てくれてるよね、おにーさん」
「そういう優しいところ、好きだよ」//優しそうに
「あ、さっきの好きは人として尊敬できる意味の好きで」//焦ったような声
「他意はないからねっ」//断言するようなニュアンスで
一拍置いて
真理愛の声量:小さな声
「分かってるって、って。それはそれでもやっとする」//少し不満そうに
一拍置いて
「このクリームは大事にするね」
「今度、おにーさんの誕生日にはお返しするから」
一拍置いて
//SE 受け皿と箸が当たる音
「はい」//優しそうな感じで
一拍置いて
「え? 何って。あーんだけど」
「男の人って女の子にあーんしてもらうと嬉しいんじゃないの?」//不思議そうに
一拍置いて
「そうそう。その場のノリって大事だよ」
「じゃあ、あーん」//ちょっと嬉しそうに
一拍置いて
「どう? あーんの感想」//ちょっと小悪魔っぽく
一拍置いて
「素直でよろしい」//満足そうに
「じゃあ、もう一口」
「はい、あーん」
一拍置いて
「やっぱり、おにーさんの食べてる姿見てると安心するなー」//優しく
一拍置いて
「え? さすがに一人で食べるって」//疑問形で
一拍置いて
「そうだね。さすがにあーんしてばっかりだとお鍋も冷めちゃうし」
「はい。受け皿貸して」
//SE お皿と箸が当たる音
「はい。どうぞ」
//SE 真理愛から受け皿を受け取る音
「少し熱さがなくなって食べやすくなったね」
「さ、冷めないうちに食べ終えよ、おにーさん」
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