第30話
私と母は、いい大人である。
であるから、このデマが、家のないホームレスから怖いおっちゃんにまで隙間なく出回っている事を早い段階から分かっていた。
だが、なぜだろう?
たかが女2人の年齢を調べられないヤクザがこの世の中にいるだろうか?
私は期待していた。怖いおっちゃんが誤ってこのおかしな犯罪に参加しているのであればすぐに手を引くと。
それを見たら、虎の威を借る狐の狐も私と母からすぐさま離れると。
それなのに、なぜか?
いつまでも離れない。
お前は何者なのか?
今日も家の周りをグルグルグルグル。
お前がいつまでも喧嘩を売っていると判断したら良いのだな?
こんな中、これも努力した事である。
事実を重ねていく、既成事実の積み重ねと共に。
スマホを向けられ、写真を撮られ続けようが動画を流され続けようが、本当の事だけを喋り続けた。
警察に言った事も、年齢も、ずっと言い続けた。
年齢のデマこそがこの犯罪を続ける底力になっている。
60代と30代の親子。
それがなぜに言えない?回せない?
それなら死んでしまえ。
私と母を信用した人間が、私と母を信用しなかった人間より、何かしら結果がましになるようにそれはいつも私の心にあった。
「信じた者は救われる」
レンズを向けて撮影している時点で、居場所を流していることも確定している。
そんな犯罪者の中でも、私を信用した人間の方が良い結果になるように努力した。
当たり前である。
私と母が本当の事を言っているのにも関わらず、嘘だとはねのける奴に、何の良いことが起こるだろうか。
そもそもお前は努力したか?
自分のやりたいようにやっていただけ。
私と母の生活が元に戻るよう努力しただろうか?
自分の事しか考えなかった行動には何の結果もついてこない。
ふと思う。
まさか、な。
やっぱり思う。
まさか。
お前が好きな日はもう1日ある。
以前書いた、あの店の店長が自ら警察を呼び警察2名の前で私と母に頭を下げた日。
それともう1日。
副店長が私の母を泣かせた日。
そして、私の思う、まさか。
それは、その日、副店長が店から警備員室に電話を繋いだという事。
その事を、まさかお前は、私と母が知らないと思っている、そんな事はないだろうな?
今の今まで、そんなくだらない事を言い続け、言いふらし。
そんな事はないだろうな?
まさかな?
自分達だけが知っていると?
まさか思ってないよな。
私はやっぱりお前を恨んでいる。
絶対にお前を許すことはない。
動くな! あくび @akubi2023
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