第29話

「なんで結婚しないの?」

なぜ、お前はそんな事をわざわざ連れに言わせるのか?

自分の思った疑問をそのまま本人の前で口にする所。お前の唯一の長所かもしれないが、いつも私は驚かされる。


ちょうど有名人が離婚発表をしている。

私がウラタにプロポーズされたのは、医療事務の病院勤務を終える前。

5年前になるだろうか。

今でも、私がウラタとの結婚をやめた理由が分からないでいるのならお前は捕まるだろう。

なぜなら、私と母の恨みも分からずに、平気で私と母の傍を付きまとっているのだから。


なぜ結婚しなかったのか。

お前は、そしてお前の家族は、口が裂けても言ってはいけない言葉だろう?


お前は今も私と母の居場所を流し、写真を撮り、相も変わらず犯罪をし続けている。

それが答えである。

お前の行動が答えである。

理解出来るだろうか?

理解しろ、今ここで。

今日の今日でも、お前は、私と私の大事な母の時間を潰している。

そんなお前が、私が遠く遠く、ウラタの実家に嫁いだところで、じっとしているか?

お前は何年も私と母を付きまとってきた。

ストーカー行為を続けてきた。


私は容易に想像出来た。

ウラタと結婚したところで、すぐに結婚生活は潰される。

お前にも。お前にも。お前にも。


義理のお父さん、義理のお母さん。

新しく増える家族にお前が付きまとわない保証はどこにある?

答えろ。お前に聞いている。


早い段階で、こんな事が起こる。

「嫁が嫁いで来てから、私、スーパー行くと、何人もの人にスマホ向けられるんよ。」

「なんか付けられてる気がする。」


そんな義理のお母さんの困る顔が目に浮かぶ。

始めからこんな結末が分かっているのに、私が結婚を選ぶだろうか。

まさに今、有名なスポーツ選手が離婚を選んだ理由と重なる。


もう一度言う。

なぜ結婚しなかったのか。

お前が言ってはいけない。

更に言っておく。

なぜ子供を産んでないか。

なぜ私の母に孫がいないのか。

お前は言ってはいけない。

分かるな?

黙っとけ。

何も喋っていなくとも黙っとけ。

お前は喋りすぎた。金儲けか、人気者になりたかったか、それは不明である。だが、喋った事は嘘まみれだった。

他人の人生をこんなに変える嘘。


お前は付きまとう事しか能がないようだ。

違うだろ?

同じ付きまといをしたところで、防犯カメラにはいつも傍にいるお前の姿しかない。

何の得があるのか?

私がずっと言っている。

60代と30代の親子と流せと。

ストーカー規制法は読んだのか?

デマをそのままにしておく事も罪である。

やはり法律家は頭が良い。

付きまとう行為そのものだけでなく、デマもその人たちの事をずっとずっと追いかけ回して苦しめる。

事実そうだっただろ?

60代と30代の親子がこんな目に遭う必要がどこにあったのか?


そして今、お前は、私に改めて、ウラタと結婚したらどうか?と薦める事が出来るだろうか。

誰1人、私と母の居場所を流していないから大丈夫だとお前が証明してくれるか?

無理だろう?

出来たところでサイバー対策課だ。


そもそもお前が平気で軽口を叩けるのは、この事を知らないからだろう。

私が決める。警察が決めるのではない。

私がお前を牢屋に入れる。

お前が警察に知り合いがいようが、家族が警察であろうが全く意味が無い。

考えてみろ?

誰が治安を守っていた?

警察か?

違うだろう?

私と母だ。

私と母に、言い訳という名のもとに、散々な目に合わせた事をもう一度繰り返し繰り返し繰り返し。

そして、「今日も大丈夫だった。誰も捕まっていない。」

皆の目が毎日私と母に向かい、大変助かっていた奴もいるだろう?

そんな奴も含めて、私と母が、何人に、そして何日、安心を与え続けたと思っているのか?

お前に安心を与えるために、こういう方向に持っていったのではない。

前にも書いた。

警察というものを大事にしただけだ。

それなのに、お前にいつまでも、私と母に対して軽口を叩かせる、そんな悪い奴を安心させる、そんな警察がいるというのであれば、そいつには警察を辞めてもらうしかない。


私はその人間より警察を大事に思っている。

警察の役割を。仕事を。

私の邪魔をするなら辞めろ。

思い出せ。

胸をなで下ろした事はなかったか?

捜査が、なぜか途中でなくなった事はなかったか?

その件は私の発言が関わっていないだろうか?

お前が努力をしないのに、なぜ私が努力をしなければいけないのか?

そう思わせたのは、他でもないお前かもしれない。

「何も聞いていない。」

「大丈夫。」

そんな発言は、この私と、交番よりもずっとずっと上の人間とに迷惑をかけるだけである。

安心させてやるのが目的であるなら、こう言ってやればいい。

「大丈夫。」

「自分が捕まってあげるから。」

相手はどんなに安堵する事だろう。


それでも私は、お前の作った黒い黒い点を、点のままにしてやっている。

点を線に繋げてやったりはしていない。


そしてさっきの話はこうも言える。

誰も捕まっていないではなく、捕まる前に死んでいる、のかもしれない。






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