デブリーフィング
亜沙人とアイオワとの戦いから、数日後。僕らはしばらく、平和的な復興業務を行っていた。
そしてある日、僕の家に来たイズモは、
「真宇宙主義者たちの掃討と復興業務は一通り終えたので、私は二〇四五年に帰ります」
と、僕に告げた。
暇つぶしに一緒に来たという、ねい姉えとリブラは、
「そっか……。寂しくなるな」
「リブラも、もう少しこの時代にいるのデ……。同感デス」
と、口々に言う。
僕自身も、肉親を失い、ともに復興や戦いを行った相棒にも去られてしまう。そのことに僕が寂しさを覚えていると、
「恵人さんも、一緒に来ませんか? エキサイティングな時代ですよ」
と、イズモに誘われる。僕は、少し迷ったが、
「――分かった。行くよ」
と答えた。それを聞いて、イズモは笑顔でうなずく。
そして、イズモが「そろそろその《ゲート》が開く時刻です」と言うと、例の半透明の漏斗状のものが、僕らの前に出現した。
ねい姉えとリブラが、
「そんじゃ行ってらっしゃい、ケイちゃん」
「あとは任せてくだサイ! ケイト、イズモ!」
と口々に言う声を背中で聞きながら、僕はイズモと手をつなぐ。
そして彼女と一緒に、その「門」をくぐった。
リサージェンスゲート 大沢 朔夜 @oosawasakuya
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