第5話
その後、高清は退学になった。
やばい連中にやばい目に合わされたとかなんとか。
のっちゃんに聞いても俺も知らなくって、と言うのでそれ以上聞くのはやめた。
のっちゃんの友達だったんだ、心配してる気持ち抉りたくない。
そして俺はのっちゃんを我慢する事を止めた。
学校でものっちゃんを我慢する事を止めた。
だから自然、のっちゃんの友達とも話すようになった。
そんなに悪い奴らじゃないってことが分かって、しかも俺ののっちゃんと主張しても理解してくれた。
毎日一緒に登下校する俺達を夫婦だと言ってくれる、すごく良い奴らだった。
昼休みに合流しても気まずくなくなってきた今日この頃、今度の日曜日にみんなで大きなショッピングモールに遊びに行こうという話になっていた。
とあるレジャースポットと併合してる巨大施設が出来たというのは聞いていたが、土地勘が無い方角だったので行った事がなかったのだ。
「けっこーいーとこよ。俺が案内するし」
「楽しそう、いつも同じトコばっかだったし」
「いつも遊びに行くトコと逆だしね」
「じゃあいこーぜー」
「…デートのよてーとか大丈夫?」
「毎日がデートだから大丈夫」
「毎日が感謝デーみてーなノリ」
「むしろ能登とそーゆー関係なのがすごい」
「能登の事で困ったら相談するし」
「まじでやばい時頼る」
「ん?のっちゃんは全部花丸君じゃん」
「ありがと、ゆずくん…オマエらは、あんま変な事言わないように、な?」
みんなが揃って、うぃーっすって言う。
俺を膝の上に座らせてくれてるのっちゃんを見る。
今日も優しく俺を見つめてくれている。
「のっちゃんのカリスマがすごい!」
「ありがと、ゆずくん。ところで今日はうち来る?」
「…」
「…てぃーぴーおー…」
「俺ら居ないトコでイチャってくれよお」
「ガチもんでやばい」
皆が口々にぼそぼそ、文句。
五月蠅い外野を俺は無視して「うん、いくぅ」のっちゃんの頬に頬でキスをした。
のっちゃんが嬉しそうに微笑む。
つられて俺も笑ってしまった。
結局それは因果律 狐照 @foxteria
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