第4話
のっちゃんの別側面を体感してしまった。
すごかった。
夢の記憶もぶっ飛んだ。
のっちゃんにされた事で頭が一杯だ。
身体はもう動かせない。
窓から差し込む光は弱弱しくなってる。
どのくらいシテたのか、もうわかんない。
「ゆずくんは、俺の、だから。もう、誰にも、触れさせないから…」
のっちゃんが裸で裸の俺をぎゅうって抱き締める。
やや立派な胸に顔を埋めさせられる。
変なとこ、もう触らないで。
「のっちゃん…」
背骨を指の腹でなぞられ、頭のあちこちキスするのっちゃんを呼ぶ。
掠れた声だったけどのっちゃんは反応してくれて、めちゃくちゃ幸せそうな顔してた。
「なに、ゆずくん…今日は泊まってけよ。うちはへーきだから」
動けそうにないからそれはありがたい提案だ。
でものっちゃん勘違いしてるから。
それを訂正しないと、とってもよくないと思うのだ。
「のっちゃん…おそわれたの、夢でだったんだ」
のっちゃんが豹変した原因を俺なりに快感の隙間ぬって考えた。
そして、説明の際に夢でっていう言葉が欠けてた事に気が付いた。
のっちゃんは俺が現実で襲われた、と思ってる。
夢で襲われた、が正解なのに。
「え」
のっちゃんが目を丸くする。
「夢、怖くて、のっちゃんしか頼れなくて、守ってくれると思って…それで…」
それでのっちゃんに勇気を出して声を掛けたんだ。
勇気を出して良かった、とは思ってる。
思ってるけど。
「い、いってよ」
ぎゅむっと抱き締めるのっちゃんを、若干非難する。
「いおうとしたらおそわれたぁ」
結局俺は襲われたのだ。
おそわれたのだ。
「ごめん…」
そういうなんとも言えない不満をのっちゃんは察し、謝ってくれた。
すぅっと、のっちゃんを嗅ぐ。
色んなコトされたけど。
動画と写真撮られたけど。
変なコト言わされたけど。
ちらっと見上げ、のっちゃんの頬を軽く引っ張る。
「つぎは、やさしくして?」
好きなひとだから許せた。
願ったり叶ったりの関係に収まったから。
だから今後はお手柔らかにお願いします、のっちゃん。
わだかまり、無くなったから、俺は素直にこの幸せを噛みしめる。
ふにふに頬を摘まむと、その手を取られ指先にキスされた。
「…ゆ、ずくん…」
「え、え、ま、いまからはむりぃ」
「ゆずくんがわるい」
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