矢を番え限界まで引き絞るはち切れそうな弦、摂政関白は逃がさない
- ★★★ Excellent!!!
大鏡「弓争ひ」を元に、面白く仕上げた作品。
歴史を学ぶにしても、物語調にしたほうが理解しやすい。
伊周に先を越されたときは落ち込む道長を励ました。
競射で延長線をすることになったときも、鼓舞する言葉をかけている。
また、道長を「内覧」に推薦した。
詮子が力添えをしなければ、道長の栄華はなかったことがよくわかるし、天皇の外戚であることがいかに重要だったかが知れる。
それにしても、自分がお気に入りの三の君へ先代の天皇である花山法皇が通っているという噂だけで、矢を射るのはやりすぎだと思う。
どこまでも弓矢でケチを付けてしまうのは、伊周はなんとも哀れである。