第41話 最終話

41 最終話


「何で話を黙って最後まで聞くかな~。普通途中で、割って入るでしょう?」

佐藤が不満気に言った。


「だって・・・カケルが余りにも自分の事、執事のことを分ってないから・・・」

「逆に吃驚して、聞き入っちゃったよ。カケル・・・本当に何も分っていない。」


「何がだよ。」佐藤はふて腐れてしまった。


「何もかも、全部です。」

「まず、俺は人見知りなの!普通でも100%信頼出来る人なんて・・・信頼関係って難しいから。」

「次に、俺は貴方に惚れてるの。」


佐藤はポカンとした顔になって、話を聞いている。


「かっこ良いところを見せたいから、頑張れるの。・・・で、頑張った後は癒やされたいの。」

桜田が、力説をする。


「何だそれ?」佐藤のポカン顔が、止まらない。


「つまり翔様にとって、あなた以上の執事は・・・世界中の何処を探してもいないって事ですよ。」

小林が要約して言った。要約しすぎだ。


「俺も、佐藤さんが居ると頑張れるし癒やされるよ。小林さんだとプラス愛情付き。」

松井は小林へのアプローチも忘れない。


「・・・そんな単純な理由?そんな単純な事で・・・」


「だから貴方は、何も分ってないんだって。」桜田は笑って言った。


「その単純な結果を出せる人なんて、そうそう居るもんじゃないよ。

 そして、そんな人に出会える確率なんてね・・・」



「一期一会、出会いは奇跡だよね。何の話をしてるの?朝食出来たよ。」


「美作君・・・話が分らないのに良いコメントしないで下さいよ。」小林が笑って言った。


「俺も・・・カケルと出会った事で、大きく変われたよ。」桜田は佐藤の肩を叩く。


「俺も・・・有り難う、佐藤さん。」松井も微笑む。


「じゃあ、俺も俺も~!!」美作が混ざってきた。


「じゃあって何ですか?じゃあって・・・」小林はお調子者の美作に言った。


「俺・・・このまま執事で良いのかな?」


「当たり前!!カケルじゃなきゃ困るの!貴方以外の人と四六時中一緒だなんて、嫌です。」


「はい!話が纏まったところで、朝食にしますよ。」美作が手を鳴らした。


「何で急に、美作君が仕切り出したの?」小林が松井に聞いて見た。


「さあ・・・」松井は小林と向かい合って笑った。


「いいじゃん。最終回なんだし(笑)。」美作が言った。



   ***



「おはようございます。翔様・・・」

「本日の予定でございますが・・・」

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黒羊 七西 誠 @macott

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