一丁焼きももくり ～みなしご桃と星屑のたい焼き～

あとがきにかえて

本編補足・お蔵入り設定他（Ｑ＆Ａ形式）

※このページには本編のネタバレが含まれています。読了後にお読みいただければ幸いです。①～⑪は作品内の、⑫～⑰は作品外の話。

①その後（３章エピローグ）のみんなはどこで何をしている？

⇒【柊桃】

　群馬県在住。前橋の学生向けアパートでひとり暮らし。

　県内の国立大学で食品工学を学ぶ傍ら、水曜と土日は群馬各地でキッチンカーを営業している。

　薬を飲む頻度はかなり減った。身長はあまり伸びていない（ちんちくりん継続）。

⇒【栗須滝野】

　埼玉県在住。引き続きベッドタウンのマンションでひとり暮らし。

　平日はかつて所属していた球団でＯＬをやっている。休日はとあるバンドのベーシスト。メンバー内で２番目に下手。

　多少はメンタルも回復した模様。

⇒【石動英実梨】

　ロンドン在住。カレッジの学生寮でルームメイトとふたり暮らし。

　学業もそこそこにお気楽なキャンパスライフを満喫している。サックスは趣味の範疇で再開。たまにジャズクラブなどで披露。

⇒【石動シャロン】

　ロンドン在住。親戚の家に居候。王立音楽大学の付属学校に通っている。

　過酷なレッスンの合間を縫って（大人たちの目を盗んで）一丁焼きを作り、日本を訪れるたびに桃に練習の成果をふるまっている。

　引っこみ思案は変わらないものの、頑固とひねくれが桃に似てきた。

⇒【江津由香里】

　東京都在住。郊外の学生向けアパートでひとり暮らし。

　都内の国立大学のゼミで経営学を専攻している。証券会社に内定済み。元手の資金を作ってから『江楽堂』を復活させるつもり。

　最近は資格取得の勉強自体が楽しくなってきている。

⇒【赤羽根美羽】

　東京都在住。実家住まい。

　専門学校時代は自分以上の才媛たちと切磋琢磨を重ね、２年の夏に開花した。卒業後は都内の洋菓子店に就職。めきめきと頭角を現している。

　海外での武者修行編が始まるのはしばらく先のお話。

⇒【藻永信一郎】

　千葉県在住。生活に変化なし。桃の実家を管理している。

　年に一度、桃と共に柊家の墓参りに行くようになった。

　実は桃の母とは旧知の仲。なので桃と思い出話に花を咲かせられるようになって嬉しい。

⇒【星月秋枝】

　愛知県在住。生活に変化なし。

　ヒツジヤの経営が軌道に乗ったため第二支店の出店を目論んでいるが、家族全員に止められている。「春作さんのいけず……」「ママ、おバカ？」

⇒【星月杏子】

　東京都在住。郊外の学生向けアパートでひとり暮らし。

　高校時代はとある古豪の吹奏楽部の副部長を務め、全国金賞にまで導いた。卒業後は音大に進学。一向に彼氏ができないことに悩んでいる。

　紗優と幹の仲を応援している。

⇒【直里きのは】

　大阪府在住。ひとり暮らし。

　営業事務として自動車機器のメーカーに就職した早々、子会社への出向を命じられて泣く泣く関西に引っ越した。その後１年で近畿地方周辺のたい焼き屋を完全踏破。

　今では転勤ラッシュどんとこいの精神になっている。

⇒【吉田萌花】

　埼玉県在住。郊外の安アパートで青とふたり暮らし。

　以前と変わらず女子プロ野球のチームで正捕手を務めている。ぼちぼち引退を考えている。

⇒【浦辺青】

　埼玉県在住。郊外の安アパートで吉田とふたり暮らし。

　都内の国立大学で教員養成課程を履修している。休日は車椅子ソフトボールに勤しむ。忙しくも充実した日々。

　たまに滝野の家に（ノンアポで）遊びに行っては煙たがられている。

②江津さんと桃のルームシェアはいつから始まった？　なぜ終わった？

⇒高校を卒業した後、浪人した桃を江津さんが誘った。

　生活観が地味に合わなかったこと、桃が群馬のキャンパスを志望したことを理由に１年で終了。不仲になったわけではない。

　もう少し成長したらまたひとつ屋根の下で暮らすようになるかも。

③くりすやの店主が桃に焼き型を譲った理由は？

　江津さんに餡のレシピを教えた理由は？

　逆に、滝野と星月さんに焼き型を譲らなかった・レシピを教えなかった理由は？

⇒星月さんと滝野はくりすやを（実家や野球からの）逃げ道にしようとしていたため却下。

　江津さんは純粋に自分を満たすための願いだったため承諾。

　桃は逃げ道６：自己満足４で本来なら却下されていた。しかし死の気配が漂っていたので仕方なく店主から声をかけた。

④桃の家族はどうして亡くなった？　なんで桃だけが置いていかれた？

⇒事故死。

　前日の海水浴の楽しさを忘れられなかった柚子が、夜明け前にひっそりと家を抜け出してひとりで海へと向かった。

　数十分後に柚子の不在に気付いた両親が車で探索。防波堤の先で溺れている柚子を見つけ、救助しようと飛びこみ、ふたりとも波に攫われた。

　警察と消防への連絡はなされなかった。また、桃は起こされなかった。

⑤腕の立つ職人ランキング（３章エピローグ時点・自由形）

⇒くりすやの店主＞星月さん＞ミウミウ＞桃＞滝野＞滝野の後輩＞江津さん＞杏子

⑥２章の序盤できのはさんが滝野を「どこかで見たことがあるような……」と言っていた理由は？

⇒『天然鯛焼き工房』で働く姿を少し前に見かけていた。

⑦クリスマスプレゼントに宝石はさすがに重くない？

⇒滝野は客観的に価値のあるものを、

　エマは相手の負担にならないものを、

　ミウミウは遠慮しつつも最後には自分が一番あげたいものを、

　桃はあげる自分のついでにもらう相手も幸せになれるものを、

　それぞれプレゼントする傾向がある。

⑧霜寺さんの最後の言葉の意味は？

⇒本人的には「既成概念にとらわれるな、常に上を目指せ」というエールのつもり。

　きのはさんが美味しさを重視しているのに対して、霜寺さんは独創性・オリジナリティを重視している。

⑨ももくりは閉店直前で味を変えた（くりすやの味になった）ようだけど、元々のももくりの味が好きな客にとってこの変化はマイナスでは？

⇒ももくりは営業開始当初から毎週レシピを調整していたため、ほとんどの客は「ブレも含めて店の味」と認識している。くりすやの味になったことをマイナスに感じた客の数は少ない。

　ただしその変化を残念に感じたり、下ブレとみなした客もたしかにいた。その筆頭が霜寺さん。

⑩そのサブタイトルは？

⇒・半径１メートルの面積は3.14㎡です。素で間違えた。

　・三月のパンタシアいいよね。再会を祝福する歌。一番好き。

　・『疼ぎ』の読みはひひらぎ。うずきの誤字ではない。

　・冬の兆しの木⇒柊桃。

⑪３章エピローグで桃が営業しているたい焼き屋の名前は？

⇒『一丁焼きとまりぎ』。

　桃はももやにしようか開業寸前まで迷っていたけど「滝野にバカにされそうだな……」と思い直してこちらに決定。

⑫今作のコンセプトは？

⇒自分を救うためのグルメもの。

　客に合わせていろんな料理を作るグルメものの正反対。結果としてお店要素が減ったのは少々心残りでもある。

⑬今作のモデルは？

⇒神奈川県戸塚市の駅付近の再開発に着想を得ている。くりすやとコハナ・江楽堂のモデルも一応は存在する／した。

　ただし街の立地は神奈川から千葉の海沿いに移している。幕張～稲毛近辺のイメージ。

⑭没にした設定や展開は？

⇒黒幕藻永さん・桃の両親と美傘住民の軋轢・青死亡・滝野死亡・滝野の親登場etc。話の軸がブレたり読後感が悪くなりそうなネタは消えた。

⑮好きなたい焼き屋は？

⇒一丁焼きこのは（藤沢）・鯛焼きのよしかわ（東伏見／吉祥寺）・たいやきわかば（四ツ谷）・たつみや（下高井戸）etc。

　たかね（三鷹（閉店））も美味しかった。独立店のすえき（三鷹）にもいつか伺いたい。

⑯過去に書いた作品の宣伝

⇒『リバーストレイル　－逆巻く世界と君のいない町－』（処女作。逆行・異能バトルもの。初期衝動ゆえのドライブ感がある。マブラヴのパクリ。鬱！）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881490854

⇒『あなたのなわばり』（『けものフレンズ』二次創作小説。カバサバかばが書きたかっただけの掌編。カップリングは３人から。けものSSコンテスト投稿作）

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882859647

⇒『ひとり星オーバーレイ』（『放課後のプレアデス』同人小説。モブの少女を主役に据えたＳＦ短編。たぶん一番出来が良い。BOOTHにて販売中）

⇒『月なき渚に星がふる』（『IDOLY PRIDE』同人小説。主人公の幼なじみの過去を捏造した重めの中編。最近焚書になった。BOOTHにて販売中）

⇒他、『天体のメソッド』『ごちうさ』『スタァライト』『よりもい』等の二次創作

https://www.pixiv.net/users/14370508

⑰おわりに

⇒ここまで『一丁焼きももくり』をお読みいただき本当にありがとうございました。

　当初の想定より10万字ほど膨らみました。こんなに長丁場になるとは……。

　ルームシェア時代のお話やみんなで海水浴に行くお話、楽器勢がセッションするお話などアイデアはまだまだ湧いてきますが、描くべきものは描き切りました。

　いつかまたお会いできたら嬉しいです。