皆さんの良く知るベストカップル、それはかばんちゃんとサーバルちゃん!
二人はとっても仲良しです。
ですが、二人の出会いによって、ジャパリパーク――さらに言うとさばんなちほーで、大きな変化がありました。
それはサーバルちゃんの旅立ちです。
そんなわけで紹介レビューしますこの作品は、そんなサーバルちゃんがいなくなったさばんなちほーの、頼れる心配性お姉さん、カバがメインとなるとっても切ないお話『あなたのなわばり』です。
この作品は、かばんちゃんの旅立ちの準備、バスの修理にいそしむサーバルちゃんに、カバが話しかけるシーンから始まります。
そこで語ったカバの話し。
『なんであなたを行かせてしまったんだろう』
カバはどうやら、サーバルちゃんを心配していたようです。
なれない土地、夜行性と昼行性のコンビの旅は、困難だらけだということは目に見えていたのに行かせてしまったと、そう語ります。
これはカバと言うキャラクターのお姉さんのキャラクターによるものと思われましたが、サーバルちゃんは「かばんちゃんと旅に出たおかげで、パークは助かった」と答え、それに対し「それは結果論って言うの」と諭すように言うカバは、いつもと少し違うように感じました。
そして、あの時、行かないでと言えなかったからとカバは言います。
『今度は……今度こそは……』と。
しかし、サーバルちゃんはそれに対して、答えます。
それはかばんちゃんという存在が、サーバルちゃんにとって、どれだけ大切な存在なのかと言う事がはっきりと分かること共に、サーバルちゃんの強い意志を感じさせる言葉でした。
それでも引きとめようとするカバ。
私はこれを読んで、やはり、いつもと違うと思いました。
ただの心配性と言っただけではないぞ、と。
それはまるで……
……ここでは言うことを控えましょう。
言葉にしてはもったいないとすら思います。
ただ、ご期待ください。
ジャパリパーク随一の切なさが、ラストで描かれています。
タイトルは『あなたのなわばり』。
これが誰のなわばりを指すもので、それに対して誰が何を想うのか。
是非、この尊くも切ない想いに触れてみてください。
胸が一杯になることをお約束します。
最終回、黒セルリアンを撃退してかばんちゃんが旅立つまでの一ヶ月。
かばんちゃんに付いて旅に出る前のサーバルとカバの物語。
唯一(?)とも言える世話焼きお姉さんキャラのカバさん――
色とりどりのフレンズの中でも、彼女は特に異色でした。
時に厳しく、時に優しく。
第一話では右も左もわからないかばんちゃんに『ジャパリパークの掟は、自分の力で生きること。自分の身は、自分で守るんですのよ。サーバル任せじゃダメよ』とまで言っています。
ツンデレとかじゃなく、本人のことを考えての忠告です。
そんなカバさんでしたが、最終話では『本当に辛いときは誰かを頼っていいのよ』と言っていました。パークの中でも特に優しいフレンズだった彼女だからこそ、言葉の一つ一つに重みがあります。
この変化も、裏でこんなやりとりがあったからこそ。
かばんちゃんの心配だけでなく
旅の道連れとなるサーバルのことを想って
原作のセリフにさらに重みが加わるような
そんなずっしりとくる素晴らしい作品でした。