第15話 ファットオーブ最後の謎


ひとつだけ、ぎもんがある。


それはハメット先生がどうしてファットマンに変身できたか、ということだ。


 


ランディが言っていたことだけど、勇者というのは、強いだけではだめなのだ。


正しいだけではだめなんだ。


人を愛(あい) することができなければ、ファットオーブは使いものにならないんだ。


ハメット先生はアイダ先生のことを必死で助けようとした。


伝説の勇者マーキュロも、元々は恋人を救うためにグレナダへ向かったのだそうだ。


愛おしい気持ちがやがて勇気を呼び起こす。


自分の命よりも大切な、その人の幸せを願うこと。


その人に笑顔になってほしいと行動を起こすこと。


それが人を愛するということだ。


 


盗ぞくたちがオーブを盗んでも使えないということは、人を愛することができないからなのだろう。


 


これでぼくの話は終わりだ。




あっ、言いわすれたけど、ルイス・ハメットとアイダ・クレストは、来年結婚することになったんだって。


おめでとう。



 


                  ファットオーブの伝説  おわり


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ファットオーブの伝説 @hayadrago

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