第8話 母との再会

震災から二日目か三日目に自衛隊の人たちから救援物資をいただいた。具体的な日時は覚えていない。


3人でカンパン1袋と野菜ジュースが1人1本。

お腹が空いたり、喉が渇いたりしなかったので、特に不満はなかった。


それと同じ頃だったと記憶している。私と妹のもとに伯父が迎えに来てくれたのだ。


津波は引いていたのか。周りの様子はどうだったのか。どうやって迎えにきてもらったのか。どう移動したのか全て覚えていない。


避難先を学校から大型ショッピングモール駐車場へと変え、母と再会した。


母との再会で感動はあまりしなかった。それほどまでに感覚が麻痺していたのだろう。どんな言葉を交わしたのか覚えていない。


ホワイトデー間近だったため、子ども優先にお菓子を配っていたそう。母はそこに並び、私たちがお腹を空かせているかもしれないということでもらっておいてくれた。


そのお菓子を母と同じ空間で食べたことで、安心感とやっと会えたという実感を得られた。




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君に会えるまで 成田 @narinari0118

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