第7話 最初の避難場所は学校
校舎の何階まで津波がきたのかわからない。1階の天井までという話を聞いたことがあるだけで。
トイレは数回に1回バケツに溜めてあった水で流す。
お世辞にもいいとは言えない衛生環境。
食べるものもない。ただ、私がいた教室では優しい人がくれたポテチ2枚をいただくことができ、食べ物にありつくことができた。
精神的に疲れていたからか、お腹もすかない。
当時私が所持していた携帯電話はどこにもつながらず、ただただ家族の無事を祈るばかりだった。
ヒビが入り少し割れたガラス。
校庭には車の赤いランプがゆらゆら上下に動いているのが見える。暗闇の中で見るその光景はとても異常な雰囲気だった。
暖をとるためにはぎ取られたカーテン。暗闇を飛び回るヘリコプターの音。人でひしめき合う教室。
最早何も感じない。
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