さよならは訪れるけれど、どんなときも輝き続けるよ

少し不思議なSF。
死んだ人にまた会って、お礼を言って別れを告げるのは切ないけれど、少しは強くなれたかもしれない。
じいちゃんとラッキーとの対比の描き方が実に良い。

書き出しが、作文みたいな文章で、毎朝していることを並べている感じに思えた。
じいちゃんとのやり取りも単調で、風景描写も少ない。
観葉植物に水を上げているところや、ラッキーとのやり取りは現実味を感じる。
じいちゃんは亡くなっているので生を感じないように描き、ラッキーは生の象徴なので、生き生きと描けている。
この対比の書き方が上手い。

進路を決めるときの、じいちゃんのセリフが良い。
いかに孫を大切に思っていたかが、よくわかる。 

ラッキーが主人公を慰めているのが良い。
ラッキーもじいちゃんと一緒に暮らしてきたのだから、悲しくないわけがない。
だけど、主人公を元気づけようとしている。
実に健気である。