夢の中

身ノ程知ラズ

夢の中

目が覚めた気がした、手元の時計は朝の8時

休日にしてはやや早い方であるが、そんなことよりも

先程まで見ていた夢の内容が気になる

とてもじゃないが受け入れることのできない悲痛な内容だった

今いる現実とは同じ年齢の俺が学校でいじめられている夢だ

そんな中両親ですら俺に対して虐待してくる

頼れるものは何もなくただ孤独を一瞬一瞬噛み締めるという

なんとも残酷な夢だった、せっかくの休日なのに悪夢からのスタートだ

朝食を食べようとリビングに向かう

テーブルにはトーストの上にベーコンエッグが乗っており

さらにはデザートにイチゴもある、かなり豪華で

先程の夢を忘れてしまうほどだった

早速テーブルに向かって席に着き食べ始める

だが少し異変を感じた、食べても食べても減らないのだ

量が多いという比喩表現でなく本当に減らない

トーストもイチゴも食べてるはずなのに減る気配がしない

まぁいっぱい食べれるしいっかと思い無心になって食べ進める

満腹になったところで外に出かけた

外はパジャマで出歩く人々で賑わっていた

公園には友達がたくさんいてサッカーをしていた

僕が入れてもらうように言うと快く仲間に入れてくれた

昼食や夕食なんて気にせずひたすらサッカーをしていた

なぜか疲れることはなかったがそんなことも気にならないくらい

熱中していた

そろそろ帰ろうと1人が言い出したので皆一斉に帰りだした

夜道は暗くそこらじゅうに遺体が転がっていたが気にもせず

家路についた

家に帰って「ただいま」と言うも返事はない

何かあったのかとリビングに行くと母親と父親がそれぞれ2人ずついた

一瞬困惑したが大人が増えてラッキーと思い

自室のベッドに転がり込んだ

今日は楽しかったなぁ、そう思い目を閉じる

明日が来ることを楽しみにして

朝、目が覚めてしまった

クッソ、いいところだったのに

またあのまま明日が続けばよかったのに

行き場のない怒りを心に収めて足取りが重いまま学校へ向かう

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夢の中 身ノ程知ラズ @mizoken

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