第8話 LGBTってムズカシイ
「・・・・アタシは
アタシは思わず口に出していた。
「あたしも嫌です」
「俺だってイヤだぜ。そんな事」
雪ちゃんと優希も続く。
「そうだよね、特に
兄ちゃんの物静かな声に雪ちゃんがハッとした顔になる。
「あの、あたしの事も聞いているんですよね ? 優希くんから」
「うん。でも僕は優希から聞く前から雪ちゃんの気持ちには気づいていたよ」
それを聞いて雪ちゃんはビックリした顔になる。
そして、そのまま
しかし、顔を上げるとハッキリとした口調で言った。
「あの、やっぱりあたしはおかしいんでしょうか ? あたしには自分が「女の子」だと言う明確な自覚があります。それなのに同じ「女の子」である勇気ちゃんを好きになってしまう、なんて事は」
「僕はそれが「おかしい」とは思わないよ」
兄ちゃんの優しい声に雪ちゃんは力が抜けたように座り込む。
そのまま横に崩れそうになったのでアタシが慌てて
「さっきも言ったけど」
兄ちゃんは優しい声で続ける。
「誰かが誰かを好きになる事に僕は「どんな障害」もあってはならない、と考えている。勿論、
「そんなの当たり前じゃんか!」
と優希がツッコム。
アタシにはまだ良くわからない言葉が多いけど、アタシやアタシたちの学校に通ってる子たちにイタズラしたりする大人は「キモチワルイ」かなぁ。
雪ちゃんは兄ちゃんに「おかしい事じゃない」と言われた事にホッとしてるみたい。
「おっと、もうこんな時間か。
兄ちゃんが時計を見てアタシと雪ちゃんと優希をマジメな顔つきで見る。
雪ちゃんと優希はちょっと緊張した顔つきになる。
アタシには「ナンノコトヤラ」だけど、マジメそうな顔はしておこう。
「あまり緊張しなくて良いよ。これから言う事も僕が自分で調べたり自分で考えたりした事だから。つまりは僕の価値観でもあるんだから
兄ちゃんはアタシたちをリラックスさせる為に笑顔を
「LGBTは1988年くらいからアメリカの活動家たちによって使われ始めた言葉なんだ。
「エルジービーテーって言う言葉がそもそもワカンナイ」
いきなりのアタシのソッチョクなセリフに雪ちゃんと優希は深いタメ息をつく。
「勇気ちゃん、後で教えてあげるから今はおとなしく聞いていて」「雪の言う通り今は黙って聞いてろ」雪ちゃんと優希の
兄ちゃんはニコニコしながらアタシたちを見ていてから話の続きを始める。
「僕は最初にLGBとTを
兄ちゃんは1度、言葉を切る。
雪ちゃんが発言する。
「最後のTの
つづく
アタシはあの娘とあの子が好き! 北浦十五 @kitaura
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