足りないもの数えてばかりの私に君が教えてくれたもの、ちゃんと手の中に

努力のキャラクターと、天才のキャラクター。
二人の対比と励ましからの早気からの脱出、ともに県大会へ行ける展開は面白い。

冒頭、弓手と妻手の説明からはじまっている。
馴染みのない人も読み進めていけるし、物語の根幹にも繋がっていく。
いい書き出しである。
弓道用語の説明が、物語の前半に集中しているのもいい。

悠希の友達なら、さくらも高校三年生。
そんな彼女は、高二から朝練をしているとある。
卒業した先輩に上手い人、あるいは、さくらをかわいがっていた先輩がいたかもしれない。そんな先輩から弓道部、もしくは全国の夢を託されたのかもしれない。
それが心の何処かで重荷になって、練習のし過ぎから射型崩れになっているのではと邪推する。
なぜなら、三年のさくらにとって、今年最後の大会なのだから。

「いつかの悲痛なクエスチョンじゃない。希望に溢れた、エクスクラメーションだった」ここの表現が実に良い。

ぜひ、さくらは射型崩れから脱し、悠希やみんなとともに、県大会とその先を目指して励んでいってほしい。

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