忍び寄る、鳴き声と足音

 私自身、幼少期にはカエルやザリガニをたも網ですくって遊んでいた。さすがにこんな不気味な場所にはでくわさなかったが、あってもおかしくないと読者に思わしめる迫力がある。

 一歩一歩、柵に示された『それ』がメタ的にやってきつつあるのに遠ざかろうとしない……むしろ近づきたがる(そのきっかけがまた、小学生らしいのだ)のは肌が粟だつこと請けあいだ。

 詳細本作。