『腹が減っても食欲には従うな』

　十文字（じゅうもんじ）くんは高校生―なのだが。ある日、吸魂鬼（きゅうこんき）に襲われ、その同胞になってしまう。
　それからの日々。普通に食事をできなくなった彼は魂を吸う。
　今日も猫を殺してその魂を吸った。だけど、猫の魂は味気ない。

　それから。川原を歩いているとクラスメイトの狩野（かりの）さんに出会った。
　参ったな。僕は小動物の魂以外を食べないようにしてるんだけど。
　人を目の当たりにすると食べたくなってしまう。
　溢れる食欲を我慢しながら、狩野さんと会話し、別れようとしたが―
『十文字くん―あなた吸魂鬼化してるでしょ？』と言われてしまう。
　狩野さんは化け物ハンターだったのだ。

　彼女を食べたい僕と僕を退治したい彼女の戦いが始まる―