　前回、前々回と京都の南にある城南宮という神社に行ったお話を書きました（神苑の「源氏物語花の庭」についての内容です※１）

　何で先週の土曜日にお出かけしたのかといいますと、中国の民族楽器演奏があるとウェブサイトに載っていたからです。

　それを聞きに行きました。

　民族楽器ですが、以前鷲生が聞きに行った七弦琴よりは時代が新しいのではないかと思います（七弦琴コンサートについてはこちら※２）。

　今回城南宮で演奏されたのは、笛子・二胡・笙の三種類の楽器によるアンサンブルで普段は「小籠包」という名前で活動されているそうです（※３）。

　二胡について。

　鷲生は、二胡をモデルにした大陸伝来の架空の楽器を小説に登場させたことがあります。平安ファンタジー小説で（※４）、ちょっと気障なキャラがこの楽器を好んだという設定ですが、Wikipedia「二胡」によれば唐の時代に原型はあるものの宋代以降の楽器であるようです。

　今回の城南宮での奉納では司会の方から楽器の説明がありました

　二胡にはニシキヘビの皮が使われているのだそうで、ワシントン条約の規制対象であり希少なものだそうです。

（この文章を書くのに「二胡　ワシントン条約」で検索すると、在上海日本国総領事館が二胡を日本に持ち帰る際の注意点を呼び掛けている記事を見つけました（※５）

　スチールの弦が二本、その弦で馬の尻尾でできた弓を挟みます。

　弓は弦に挟まっているので、西洋のバイオリンなどと違い、弓と楽器が離れることがありません。

　二胡の音色は人の声と近い音域だという説明もありました。

　笙は、日本の雅楽の笙と遡れば同じものだそうですが、後代に改良を加えられたもので現代のオーケストラにも対応できるようになっているそうです。

　遠目で見ても金管楽器のように見えました。大きさも日本の笙よりずっと大きい……そうですね、小柄な女性の上半身くらいありました。

　管は38本あるのだそうで、単音だけでなく和音も奏でられるのだそうです。

　笛子は、日本の篠笛や西欧音楽のフルートよりも、ハリのあるはっきりした音色です。こういうパンチの利いた音が出るのは、真ん中に葦の茎から膜を取って貼り付けてあるからだそうです。

　演奏中、この日のお天気のため（4月上旬にしては暑かったです）、この膜を張り付けてある膠がはがれてしまったのだそうで、普通の笛のような音になっていました。

　中華モノを書くときに、こういうアクシデントを盛り込めるかもしれませんね。

　曲は「花好月圓」（おめでたい場面で演奏される曲だそうです）「蘇州夜曲～夜来香」、久石譲さんの「あの日の川」、中国の南のちほうに細かい雨が降る様を曲にした「雨碎江南」、二胡の草分けの”チェンミン”という方が好きだったという「燕になりたい」、それからモンゴルの民歌「草原情歌」と「○馬」という曲がありました（〇は漢字が分かりませんでした……競馬という意味なのだそうですが）。

　そういえば、アンコールでは、美空ひばりさんの「川の流れのように」を演奏されました。

　司会の方が「皆さんもご存知な歌ですから、どうぞ歌って下さいね」と呼びかけられまして。

　観客は100人くらいだったと思うのですが、一人一人の声は小さくとも全体としてはちゃんと皆さんが歌っておられるのが聞こえました。

　なんちゅうか、国民曲なんですね……。

　鷲生もサビの部分はそりゃ知っていますが。全体の歌詞は知りません。

　鷲生は洋楽を聞くタイプでしたので。「川の流れのように」とかが流行していた頃は、生まれ育った神戸のローカル番組「ポップベティハウス」という洋楽紹介番組を見ていたのです。

　Bon Jovi のBad Medicineとか、 Belinda Carlisleの Heaven Is a Place on Earthとか聞いてましたね……。

　同世代の洋楽ファンもそれなりにいると思いますが、「それではみなさんご一緒に」と呼びかけられる際は、やはり邦楽の何かになるんだろうなとちょっと疎外感を感じた場面でしたｗ

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　※１　前回・前々回の記事

「【和風F】城南宮「源氏物語花の庭」に行ってきました」（その１）（その２）。

　https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16818093075455812362