【中華F】七弦琴コンサートを聞きました@「平城のとよほき」

 奈良県の平城宮跡歴史公園で開かれた、奈良時代を祝うイベント『平城(なら)のとよほき』に行ってきました!(※1) 


 昨年も同じイベントに行ってきたのですが、3月のこの時期に実施するのは、会場となっている「朱雀門ひろば、平城宮いざない館の開園記念日」だからのようです(※2)。

 

 まずは13時開演の「七弦琴コンサート」


「七弦琴」は古代中国の楽器で、日本にも正倉院や法隆寺に伝わっていると会場で説明されました(※3) 

 会場のパンフによれば「古琴」とも呼ばれるそうで、「古琴」というワードでWikipediaに項目があります(※4)。


 wikiにもあるように、古代中国では古琴は「中国の文人が嗜むべきとされた“琴棋書画”」の琴であり、竹林の七賢などに愛されたと説明がありました。

 遣隋使や遣唐使を通じて中国の文化がもたらされた日本でも、聖徳太子などが聞いていたかもしれないとのこと。


 今回のコンサートでは丸い弦楽器の「阮咸」や、笛の音色も聞けました。正倉院御物に「螺鈿紫檀阮咸」があります(※5)


 また、鷲生が行った日には中国の古典舞踊も見られました(※6)。


 演者の皆さん、がっつり古代中国の服装です。最初にファッションショーもありました。

「壁画、陶俑、文献」から再現されたものだそうで、中華ファンタジーを書くのにとても良い参考になりました!


 最初、開演までに行けば間に合うかな~と思っていたのですが、30分前から受付開始とのことで念のためにそれに間に合うように京都を出ました。

 鷲生としてはわりと早い時間からの外出ですが、そうしておいてよかったです。

 12時半にはしっかり列ができていました。その列でほとんど座席が埋まった感じでしたね。


 3月下旬は、古代中国の「花朝節」にあたるとのことで、季節にちなんだ音楽を演奏されました。それから般若心経を中国語発音で曲にしたもの歌って下さいました。


 そうそう、このコンサートは「大阪七弦琴館」の方々が出演されているのですが、主宰されている方は中国大連市出身の中国の方(※7)。

 中国語ネイティブの美しい発音がきけました(観光客どうしの会話はしょっちゅう耳にしますが、プロの音楽家の舞台演奏用のエエお声というのは案外と耳にする機会がないなあ~と思います)。


 この方、今回会場にあったパンフレットによると、「清の道光帝の曾孫にあたる溥雪斎を大師匠に持つ高珉に10年以上師事」だそうです。遡れば清皇帝にまで行きつくのですね~。


 南宋の疫病封じを願うという「普庵呪」(※8)や「流水」という曲も演奏されました。


「陽関三畳」という別れを惜しむ曲の演奏もあり、別れの杯を交わすというミニお芝居もありました。


 会場の説明では、別れの場面では柳を環にしたものを用意するのだとか。

「柳」と「留」が同じ発音で、それを環にすることで「元気で帰って」という意味を持たせるそうです。 

 見送られる方は安西都護府、クチャの近くで2500キロ離れていた場所に行こうとしているので、再会できるかどうか……な別れであったそうです。(鷲生のメモなので間違いがあったらすみません)。


「春風」という曲では、手でたたく太鼓みたいな楽器も加わりました。演奏後、間近で見ましたが蛇の皮のようでしたね。


 西域商人が活発に行き交う様子、市域のダンスの煽情的なステップが表現されているのだという説明がありました。


 後半には現代曲も演奏されました。


 一つは中国ドラマの「陳情令」のテーマ曲です。

 このドラマの大ヒットで、七弦琴を習おうという人が増えたのだとか。X(旧Twitter)でもファンの人を見かけたことあります。熱いですよね~。

 この曲では笛も合奏に加わりました。

 太い笛と細い笛を途中で入れ替えていて、やはり細い笛の方が高い音でした。


 最後は西洋クラシック、パッフェルベルのカノンでした。主宰者の方が大好きな曲なのだそうです。

 七弦琴は弦の張り方を調節して音を変えるのだそうです。曲ごとに調節するとのことでしたが、このカノンの前にわりと時間を取って調節してらっしゃいました。

 七弦琴によるカノンも趣深かったですよ~。


 コンサート終了後は楽器を触らせていただきました。

 日本の琴とは違い、爪は用いません。

 また、演奏を見ていると左手で弦の上に指を滑らせる動作があるのですが、これも日本の琴にはない動きです。音がうねるようになります。

 指の腹で弦をつまびいで「びい~ん」と音が出せて感激しました!

 指を滑らせるのは出来ませんでした。どうしても音が止まってしまって……。


 盛りだくさんで楽しいコンサートでしたよ!


 以上、「七弦琴コンサート」。全曲でなければ写真や動画の撮影も可でしたので、動画・写真をX(旧Twitter)に投稿しております。

 動画では音も聞こえますのでよろしければご覧くださいね~(※9)。


 なお、鷲生はこのコンサートの後半で、「そう言えば今書いている和風ファンタジーって、構想段階では登場人物が絶対音感の持ち主っていう設定だった」ということを思い出し、8割ほど書き終えてるんですが「あー、じゃあストーリーラインも変えないとなー」「どーしよーかなー」とか考えてしまいましたw

 それを一緒に行った家族に話すと「ちゃんと楽しんでる?」と聞かれてしまいましたが、それとこれは別。しっかりEnjoyしましたよ~。


*****


※1 平城宮跡歴史公園「2024/03/23(土) 【3/23・3/24】「平城(なら)のとよほき」 を開催!」

https://www.heijo-park.jp/news/toyohoki20240323/ 


※2 X(旧Twitter)「平城のとよほき」アカウント

 https://twitter.com/naranotoyohoki/status/1771662648918114770


※3 東京国立博物館「法隆寺宝物館(法隆寺献納宝物) 国宝七弦琴と古代の楽器」

 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=208


※4Wikipedia「古琴」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E7%90%B4


※5 正倉院展ウェブサイト 螺鈿紫檀阮咸

https://shosoin-ten.jp/info/treasures/000027/


※6 鷲生は動画を撮影したつもりでしたが録れていなくて……。

X(旧Twitter)に練習風景の動画が上がっています(1・6倍速だそうです)

「大阪七弦琴館」

https://twitter.com/windson0707/status/1770098683100705114


※7 立命館孔子学園で演奏されたときのプロフィール紹介がネットで見つかりました。

https://www.ritsumei.ac.jp/confucius/event/article.html/?id=289


※8 大阪七弦琴館のX(旧Twitter)に「普庵咒」の説明があります。

 https://twitter.com/windson0707/status/944809782099062785


※9 鷲生のX(旧Twitter)にポストしたものです。


https://twitter.com/washu72802210/status/1771751404991832242

七弦琴の音が動画で聞けます。


https://twitter.com/washu72802210/status/1771752743037763892

「陳情令」の笛の演奏です。


https://twitter.com/washu72802210/status/1771753322900279513

別れの杯を交わす場面の写真です。


https://twitter.com/washu72802210/status/1771758676631806191

鷲生が七弦琴に触らせていただいている写真です。

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