あわよくば公募を目指して2

 鷲生は自分の小説は自分の好きなように書いていますが(そういう風にしか書けませんが)、それでも図々しいことにどっかの公募に引っかからないかなーなんてことを考えています。


 エエ年のオバはんである鷲生が書くものですから、ラノベほど若さはありません。なので、ライト文芸とかキャラ文芸とかの領域の賞で応募先を探しております。


 ただ、一般文芸でも「ファンタジーノベル大賞」っつー名称のものがありましたので、少し検討してみました。


 結論としては一般文芸とライト文芸(キャラ文芸)には差があって難しそう、ということになったのですが。

 今回はこの賞について感じたことを書いてみたいと思います。


 日本ファンタジーノベル大賞は酒見賢一さん(『後宮小説』)や森見登美彦さんが受賞された賞です。

 一度中断したのですが、今は新潮社がひきついでいます。


 賞の歴史や応募要項などは公式サイトなどをご覧いただくとして(※1)。


 メジャーな賞であるからか、選に漏れた人の恨み節もネットで検索すると出てきますw


 複数見かけたのは、「創設当初の編集者がやっている小説講座の出身者に受賞者が偏っている。コネ受賞だ」というもの。

 これについては、5chの該当スレの方に穏当な見解が見られます。

「その小説講座が受賞レベルまでスキルを高めてくれるんじゃないの」と。


 私もこの講座出身で受賞した方の作品を読みましたが、確かに、こういう一般文芸での作家を目指して小説講座などで研鑽を積んだ人ならではの「上手さ」はビシバシ感じますw

 だから、5chのコメントの方が妥当だと私も思いますね。


 ただ、巧さに感心しても感動しないというか……。

 特に、鷲生が図書館で借りてきた「とある和風ファンタジー」についてはテーマがよく分からずじまいで……。


 ネット書店で「本の帯」を見かけ、その帯にある文章で「ああ、そういうテーマだったんだ……」と初めて理解しましたよw


 鷲生の読解力が足りないのかと思っておりましたら。

 文芸誌に掲載されている選評を読んでみたところ、この作品を強く推す選考委員とは別の選考委員の作家様が「テーマがこうだとしても、不親切で分かりにくい」とコメントしておられたので、鷲生だけの問題ではないようです。


 ああ、そうそう。

 選評も全文読んだ方がいいですね……。


 選評の一部を切り取って怒っている人をネットで見かけましたが、全体を読むと少し印象が異なりますし。

 何事も一次情報が大事です。


 再開後の受賞作を3作読みましたが、普段鷲生が読み慣れているライト文芸(キャラ文芸)より、世界や事物の描写の比重が大きいという印象を持ちます。

 「ファンタジー小説」というより「幻想文学」と漢字で表記した方が似合う感じといいますか。


 それはそれで上手ければそれなりに楽しく読みますが……。

 キャラの魅力でぐいぐいぐいストーリーに引き付けられるようなライト文芸(キャラ文芸)を読み慣れていると、その世界での出来事に感情移入しづらい感じがします。


 あと「この賞は受賞者を飼い殺しにするので悪名高い」というコメントも見かけました。

 出版業界の内部事情は分かりませんが(悪名が高いのかどうかも知りませんが)、この賞に特化した才能はあまり量産がきかないんじゃないでしょうか。それで寡作になっているんじゃないのかなあという気がします。

(森見登美彦さんと万城目学さんを同時に読んだ時に、森見さんの方はあまり量産がきかなさそうと思ったことがあります)。


 受賞者やその周辺の方々の作品を見ていると、鷲生にはハードルが高そうだとは思ったものの。

 それでも「これが一般文芸の高尚なところだろうから見習おう」と思い、鷲生も今書いているファンタジー小説をそちらに寄せようとトライしてみました。


 しかしながら、今イチ上手く行きません。

 はかどらないですw だんだん書くのがツラなってきたので、ちょっとお休みして仕切り直そうかと思います。ムリは禁物だと感じましたw


 選評を読んでいても(大賞受賞には至らない最終候補作についての評も分かります)、「うわあ、レベル高そう……」としり込みするばかり。


 その一方。

 主催している出版社の文芸誌のサイトに「日本ファンタジーノベル大賞スタッフ」の方の文章が載っており、「こういう凡ミスは避けましょうね」という具体例があがっています(※2)。


 結構しょうもない応募作もあるようで……w。

 以下に少し引用します。


「 ちなみに実際にNGになってしまった応募原稿を少しご紹介します。


 ・架空の国の架空の言語で書かれていた→読めません(涙)。

 ・架空の国の地図や設定だけが手書きで書かれている→小説も書いてください~。

 ・自己紹介となぜその小説を書いたのかという想いがほとんど→その想いの結実である小説を読ませてください!

 ・応募規定500枚なのに、2000枚超の原稿が届いた→大幅な規定違反です。

 ・判読するのが難しい自筆原稿→読者のことをお考えいただけると幸いです。

 

 お気をつけください。」


 ↑こんな感じの応募作もあるんなら、ちょっと親しみがわくと言いますかw

 この辺がクリアできれば、ダメ元で送ってみるのもありかなあとか思ってみたり。


 まだ最終場面を描き終えていないのですが、仕切り直して上手く話がまとめられて締め切りに間に合ったら考えてみたいと思います。


*****



※1 新潮社「日本ファンタジーノベル大賞」現時点での応募要項などが掲載されています。

https://www.shinchosha.co.jp/prizes/fantasy/


 賞の沿革などはWikipedia「日本ファンタジーノベル大賞」にあります。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E5%A4%A7%E8%B3%9E


※2 新潮社Yom Yom

「超凡ミスで1割弱が落選……新人賞で小説家デビューできない原稿の残念すぎる特徴」「日本ファンタジーノベル大賞」特集

https://www.bookbang.jp/yomyom/special/feature/fantasytokushu/7251






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