簡易報告「夜釣り人」
国際統一魔法協会
通称"名前はないが存在している協会"
日本支部 東北地区所員 一ノ瀬ユリの報告より抜粋
———————
7月某日 日報 報告者 一ノ瀬
昨日に引き続き繫華街から駅前にかけて現地調査および情報収集をしていたところ、怪異の影響を受けたと思われる男性の噂を聞き及んだため、下記の通り報告する。
A地区在住の20代男性が深夜に近所を散策していたところ、釣竿を携えた人影に遭遇した。一言二言やり取りをしたのち、一瞬のうちに朝を迎えたというもの——
中略
——遭遇したという男性の実在の確認と共に、近縁で類似する事例の収集に努めることとする。
———————
東北地区所員 常磐ヒナタのデスクに放置されていた考察メモ
狐狸の可能性?
慣れた山道で不思議と道に迷い、困り果てたところで見慣れた景色に戻る、という話は狐狸に化かされたものとして全国各地に類似事例がある。本件は道に迷ったわけではないが、単純に化かされていた可能性はある。
離魂病、もしくは影の病
夜道を歩いていると、正面から歩いてきた自分そっくりな者とすれ違い、その後亡くなったというもの。本件は背格好が似通っていたとはいうものの、亡くなったような話は含まれていない。噂として伝聞されるうちに「不思議な話」として前半部分だけが切り取られている可能性もありえる。
ただの夢
夜に外出していた夢を見ていただけ?それはちょっと面白くない。
夢と言えばバク。夢を食べるというバクが、「寝たという記憶」さえ食べてしまったらどうなるんだろうか?
【短編】夜釣り人 とりの @hiyo_rin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。【短編】夜釣り人の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます