第七夜 「神は七日間で世界をつくりたもう」



1 初めに作者はネタが何もないので「一」が付く単語で面白そうな言葉がないかと考えた。

 一発やらせろ、というタイトルが浮かんだが、何故か一発殴らせろに変化し、下衆な主人公を描くと言う企みは霧散した。


2 ネタも何も思い浮かばず、良い単語も思い浮かばず、二日酔いで何かを書こうとして時間が足りぬことに気づいた。あわてて、アイデア出しをしていたときの2世ネタを持ち出し、バカっぽいので急いで(口で吸え)唐突なパロディネタに走った。しかもネタが古い。


3 同じく単語を考えているうちに「女、三界に家無し」の言葉を思い出した。神は、形になれ、と言われた。すると形になった。


4 神は感想欄を見て、良しとされた。気分良く安易に四六時中をネタにすることにした。サゲは諦めた。ハゲは諦めていない。


5 この時は本当に時間がなかった。最悪の一日だった。なんでこんなことを続けているのかと神は自問した。仕方ないのでiPhoneで五の文字を出した時、「等分」という文字列が続き、天啓思いつきで五等分の花婿というタイトルにすることにした。が、ググるとすでにあったので愛人に変えた。あとは筆に任せた。等分をオチに持ってこれないことに気づき、タイトルを変えた。


6 本日も泊り仕事だというのに、明日には夜勤があった。神はワープアだった。できればその日のうちに最後の日の分まで書きたかったが、バタバタと忙しく、とてもそれどころではなかった。そもそも六で良い案がない。そこからすでに怪しい。六道、六法、六腑などと辞書を見たりしながら思案したが諦めた。ふと六文銭のことを思い出さなければ世界は完成しなかったかもしれない。


7 神は安息しサボっ



*****


おまけ。


第二夜 二日酔いに効く薬


 首から上を切り落としたい、と考えるのはひどい二日酔いをした朝の毎度の儀式のようなものだった。

 マキは特に酒に弱い方でもないが、ちょっと自分の容量を超えた飲み方をしてしまうとてきめんに二日酔いになる。

 頭の奥の方で脳のどこかが万力に締め上げられてるような痛み。キリキリと千枚通しで刺されては抜かれるような傷みのときもある。耐え難い。

 幸いにもというか、翌日が休みでもなければそこまで深酒するわけでもないので、今日は休日である。

 昔は店休日というのがあったらしく、月替わりで月曜が休みだったり火曜が休みだったりもあったらしいが、シフトで休日が決まるいまでは、休みはあくまで自分の指定。土日のどちらも休みというのは通りづらいが、どちらかならまず通る。が、マキとしては平日休みのほうがありがたいので、土日祝日はまず出るし、そのことで評価されてもいる。

 が、ローカルなパチンコチェーンの店長やら主任やらに評価されたところでなんだというのか。むしろ学生バイトの男の子らに「マキさんって彼氏の一人もいないんじゃないか」と陰で笑われてる始末。

 なんだ彼氏の一人って。そんなもん二人も三人もいらんだろ、と思い出し怒りしそうになって頭を振り、振ることで痛みが強くなる。マキは小さく呻いた。

 まあ、いい。正解だ。一人どころか0.5人もいないわ。

 それよりもいまはとにかくこの頭の痛みをどうにかしたい。

 ベッドから起き上がり、ロキソニンの残りはまだあったかどうだったかと、頭痛のする頭をさすりながらテレビ下の小物入れを探ろうとしたとき、不意に思い出した。(途絶)


 どんな流れにしようとしてたのか、オチをどうしようとしてたのかすら、もうさっぱりわからない。

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七つの掌編 スロ男 @SSSS_Slotman

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