【短編集】人生は「しこう」

試行

　わたしは妖精です。5人家族の末っ子になる予定でした。8年前にわたしは妖精になりました。いまはママとパパと一緒に住んでいます。みんなはわたしを見られないけれど、わたしはこのお家で暮らせて幸せです。

　1年前におにいちゃんは大学生になるためにお引越ししました。おにいちゃんはたまにお家に帰ってきます。でもすぐに帰っちゃうし、1年に2~3回しか会えません。おねえちゃんは少し前にママとけんかして一人暮らしをはじめました。だから今はお家にはママとパパとわたしだけです。最近、ママとパパが仲良くないです。2人ともお互いのことが大好きなのに、あんまりしゃべらないしお互いのわるぐちを言っています。

　わたしはやさしい子なので、みんなを助けてあげます。

　わたしは犬になりました。赤毛のとってもかわいいトイプードルです。ママとパパはわたしを見つけて飼うことにしました。わたしは「ラブ」と名付けられました。とってもかわいいわたしにぴったりの名前です。

　ママはいつもわたしとお話ししてくれます。たくさんお世話をしてくれて、ごはんもくれます。パパはいつもわたしのお部屋をきれいにしてくれて、お仕事から帰ってくるといつもわたしと遊んでくれます。おねえちゃんはわたしが「ラブちゃん」になってからわたしたちのお家に遊びにくるようになりました。おねえちゃんはおうちにきたら、わたしのお部屋にくるのでいつも遊んであげます。おにいちゃんはたまにしかこないのでおうちにきたらたくさん遊んでもらいます。

　ママとパパはがんばってわたしのお世話をしているうちに、2人で協力する大切さを感じてお互いのことをもっと大好きになりました。おねえちゃんはママと会うことがふえて仲直りすることができました。おにいちゃんもおうちにたくさん来てくれるようになりました。

　ぜんぶわたしのおかげです。

　私はもうすぐで妖精に戻ります。家族みんな今でも仲良しです。両親はいつも笑顔です。姉の子供達も仲良しです。兄は少しおじさんになりました。私は幸せな気分で妖精に戻られます。

　全部みんなのお陰です。