第16話

ちはると名乗るLINEユーザーから、一枚の写真が送られてきた。

その写真は今、大ニュースになっている新興宗教の集団自殺の現場と

思われる凄惨な写真だった。並の人間なら吐いて腰が抜けるだろう。

報道管制が敷かれているこの事件の写真を手に入れられるのは

「天藍宗」の人間か、警察関係者しかいないだろう。

しかし、天藍宗の人間は幹部や開祖も含めて自殺したはずだ。

では警察関係者だろうか?いや、そんなことはまずないだろう。

では天藍宗の内部に生きている人間がいるということか。

もしくは最初に発見したのは警察ではなく―

これは俺を消しに来る流れなのだろうか。それは非常にまずい。

いや、警察の撮った現場写真をハッキングしてスパムとして

流出させている愉快犯的クラッカーかもしれない。

様々な可能性が見え隠れする状況に武者震いをおぼえた。

これはどんな刺激的な動画よりも遥かに俺を沸き立たせる。

笑みを浮かべながらも体が震えている中で、電車がホームに入ってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エクストリーム・デイ シラゴン @yoshishi38

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ