どうしてもすれ違うことはあるけどそれも愛でしょ

二人の絆が深まっていく様子がよく書けている。
本作の書き出し、冒頭はテンポいい。
デートの場面で黒瀬の服装に対し、坂視点の感想が添えてあるところが良い。

小学四年生の坂がカッコいい。
ただ、「坂裕也。いずれ世界を変革する男の名前だ」は、たしかに痛い。
「マジか、てか俺の黒歴史も知ってるってことかよ」
坂はいっているけれど、そんなことはない。
二人の世界を変革したのだ。
だから、黒歴史でもなんでもない。
もっと自分に自信を持ったらいい。

良い恋愛ものを読んだ気がする。
二人が出会って仲良くなるだけでなく、障害の中、深めあっていく姿も描けていてよかった。