第四話 「警護開始」
職員室をあとにした私達は体育館へと向かった。
この学校の体育館はかなり広い。
話によると昔の生徒人数が多かったためサイズが当時のままになっているとのこと。
私は職員の一番うしろ側に並んだ。
体育館の入り口から続々と生徒が入ってきた。
その中には<3年4組の男子生徒>の姿もあった。
副校長先生が舞台に上り始業式が始まった。
私は始業式の合間に着替えておくようにと近衛先生に言われた。
着替えるつもりはなかったが私は制服に着替えるため体育館をあとにした。
「それでは、ここで新しくこの学校に導入されたSchool SPの方をご紹介したいと思います」
舞台袖から現れた青い服に身をまとったその人は警察のように見えた。
私だけども........
「皆さんはじめまして、この度School SPに着任しました。
青葉・フォン・エステシャンです」
私はこの学校を警護することになった学校専門のSPであることを伝えた。
生徒の中には教室で私に妙な視線をおくっていた者もいたが今の一言で顔が青ざめていたのは予想通りだった。
始業式後。
私はスーツに着替え直し、廊下を歩いていた。
「.........!」
廊下の曲がり角に近づいた時、何人かの男子生徒の声が聞こえた。
「なぁ、
「俺たちにも渡せよ」
「日達先生から借りたもんがあんだろ?」
数名の生徒が小島と呼ばれた生徒を取り囲んでいた。
一体何をしているのか....
次の瞬間、その疑問は鮮やかに晴れたのだった。
雑誌?のようなものを小島と呼ばれた生徒が目の前の男子生徒に渡していた。
「おぉ!これだよ、これぇ!」
「やっべぇよこれ!」
「ウヒョヒョヒョ!」
雑誌を受け取り、奇妙な声を発している。
サルかよ.....
そして私はその場を素早く素通りした。
うん。あれはだめなやつだ。
先程の雑誌はいわゆる<*=成年雑誌=>なのだろう。 *日達先生のコレクション
隠れてコソコソしていたこと、日達先生から受け取ったというワードからそう推測したのである。
まったく........
アメリカにいたときのほうがもっと紳士的な人が多かったんだけどな.......
この学校の男子はエロい奴しかいないのだろうか。
しかし.....
歩くだけでも肩がこるものなんだな.....
そのまま私は見回りを続けた。
=15:00= <授業終了>
この日の授業が全て終了した。
今日は特にこれといって(雑誌以外)問題はなかった。
私は警護初日を無事に終え、職員室へと戻った。
「青葉さん、警護一日お疲れ様でした。」
職員室へ戻ると近衛先生が出迎えてくれた。
「肩がこりました......」
「はい?」
何かおかしなことを言っただろうか....
そう疑問に思っていると奥から日達さんが雑誌を片手に歩いてきた。
「俺、原因......わかりますよ?」
彼の視線が少し気になったが......
「何が原因なんです?ここのところ肩がこりやすくて....」
そう尋ねると日達先生は近い距離にいるにも関わらず耳元にこう囁いた。
「あなたのおっぱいがビックサァァァイズの巨ー乳だからですよ.....」
気づいたときにはこいつを拘束していた。
「セクハラで現行犯になりたいですか??」
「警察にセクハラするとはいい度胸ですね!」
「っちょ!?」
「冗談だよね?」
その問いに私は笑顔で答えた。
「えぇ、もちろん冗談ですよ!」
私は冗談で腰から手錠を取り出し目の前でプラプラさせてみた。
「HELP MEーーーーーーーー!」
そうして、学校終わりの職員室に日達先生の悲鳴が激しく響いた......
日達先生は渾身の固め技を食らったのだった。
日達先生.......Good Luck.....
<作者からのコメント>
四話を読んでくださりありがとうございました。
どうでしたか?最後の日達先生のクズっぷりは(笑)
日達先生はかなり女癖が悪くて酔ったときには
手がつけられなくなるとか.......
警察署で偶に見かけたり.......するらしいです。
<女癖が悪い✕酒癖も悪い=クズ>
話の中にクズキャラが一人でもいると面白くなりますよね!
ぜひ、次話もお楽しみください!
次話:「二次被害の対処法」
学校内警護官の苦悩 黒川宮音 @kurokawa_miyane
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