第39話 (最終話)アクリノーレの真相。
クリブルはギアに帰還をすると、予定通り戴冠式を経てギアの王になる。
最早ギアだけではなくカラフノーレの王になったと言っても過言はなかった。
クリブルは可能な限り各地の文化風習を残しながら、半魔半人を使い世界を平和に統治していく。
兵士達は危険生物を狩ることでクリブルに死を集め、クリブルはその死で世界をよくしていた。
そして今も訓練が続いているので、兵士達は少し集まればデスキャットすら討伐出来るくらいになっていた。
ある日、珍しくエナメノーレが「2日くらい出かける。ブールゥ達としっかり訓練をしておくのだ。私はサボるとすぐにわかるからな」と言い残して出かけてしまう。
クリブルは休みたい気持ちだったが、妻達からは「エナメノーレ様の言葉は絶対です」と言われて、「仕方ない。でもエナメノーレが居ないから、疲労は残るんだから少しだけだよ」と言って訓練をする。
だが次の朝には不思議な事にエナメノーレが帰ってきていて、「寂しかったか?私は寂しかったぞ」と言ってクリブルに抱きついてクリブルを求めてくる。
クリブルは違和感を覚えながらエナメノーレを抱いてみたが何かが違う。
そもそもエナメノーレが見せるような余裕がない。
決定的だったのはエナメノーレの中に入った途端、エナメノーレは簡単に果てた事だった。
それこそ焦らしに焦らした後ならわかるが、焦らしなんかは何もしていない。
それどころか急かされた。
その後もエナメノーレはひと突きごとに果てて、目を白黒させて溺れるように乱れる。
終わるとエナメノーレは「凄かった…。またしてくれる?」と聞いてきて、クリブルが答える前に、「他の女は全部捨てて私だけにして」と言った。
クリブルは違和感の正体を見極めた気になると、「もう一度しようか?エナメノーレ」と囁いて、身悶えさせている間に眷属化の能力で妻達とリリアントを呼び出して、前後不覚のエナメノーレを一気に磔ると「リリ、多分正体はわかるけど、本人が自供するまで責め立てて」と言う。
リリアントはボンテージ姿で「はい!お兄様!」と言うと、エナメノーレは面白いように反応をしてリリアントを悦ばせる。
リリアントも「あれ?」と言ったのは、エナメノーレがもどかしいと泣く羽ボウキを喜び、荒縄を刺激が強いと嫌がりやめてくれと言った事だった。
クリブルはエナメノーレの横に立って優しく「エナメノーレ、そろそろ正体を表す?」と聞くと、ギクっとした顔のエナメノーレが息も絶え絶えに「な…、何のこと?私はエナメノーレよ」と返した。
声も話し方も違う。
それでも本人は違うと言うので「リリ、足りないみたい。ブールゥ、ペルオレ、パルブルもエナメノーレを悦ばせて」と言い、責めが再開される。
ロエスロエも盛っていないのに、ものすごい反応を示すエナメノーレに、もう一度「まだ続ける?正体を表す?」とクリブルが聞いた時、物凄い勢いで扉を蹴破って「アクリノーレぇぇぇっ!!」と言って帰ってくるエナメノーレ。
クリブルが「エナメノーレ、お帰り」と声をかけると、「ただいま帰った。アクリノーレの奴は…」と言いながら部屋を見たエナメノーレは、磔られている自身を見て「ほぅ」と言って悪い顔をする。
「え…エナメノーレ?もう起きたの!?」
「ああ、久しぶりに傷心の友に付き合って酒を飲み交わしたら、まんまと眠らされたなぁ。だがこのクリブルとの日々が私を更に変えたのだ」
磔られているエナメノーレは何かの力を使ったのだろう。偽装が解けて明るい緑色が印象的な髪色の女性になる。
「リリアント、再開しろ。責めを止めるな」と言ったエナメノーレが、クリブルに「わかっていたとは思うがコイツがアクリノーレだ」と言う。
クリブルがアクリノーレを見ると、アクリノーレはヒーヒー言いながら面白いように果てて体を跳ねさせている。
「先日コイツから鎧の反応が消えたと連絡が来てな。委細を話したらクーリアの話になって、会いたいと言うから神の世界に里帰りしてきた。だがまさか一服盛られてしまうとはな。起きたら今度こそ私のものにすると置き手紙があったから、すっ飛んで帰ってきたらコレだ」
説明を終えたエナメノーレは、アクリノーレに近づくと「よかったなぁアクリノーレ。クーリアの時と同じ感じだな」と悪い笑顔で話しかける。
「同じ?」
「コイツの独占欲の根幹は自身の雑魚さ具合だ。簡単に果てるから、自分好みの男とゆったりとセックスがしたいのだ。だがクーリアは私好みの激しい男。しかも多人数戦が好きだから、アクリノーレは毎回1人で先に力尽きていた」
何となく事態がわかったクリブルは、アクリノーレへの責めを止めさせて「アクリノーレ?」と声をかける。
変わらず息も絶え絶えなアクリノーレは「私だけを愛して。お願い」と懲りずにクリブルに求愛を迫る。
クリブルは申し訳なさそうに「ごめんねアクリノーレ。初めてワイプ山で会ったのがアクリノーレならそれも良かったんだけど、出会ったのはエナメノーレの方が先だし、奥さんが3人も居てくれるから、今更それは出来ないよ」と謝ると、アクリノーレは愕然とした顔で「そ…そんな…」と言い、威圧するように「そんなこと言うならまた呪ってやる!」と声を荒げた。
必死なアクリノーレの声、アクリノーレの中ではクリブルが「やめてくれ」と懇願してきて、恋愛のイニシアチブが取れると思っていたのだが、クリブルは怖い顔で 「リリ、少し素直になるまで鳴かせて」と指示を出す。
再開される責め苦に「なんで!?なんで怒るの!?」と必死になって聞くアクリノーレに、エナメノーレが「バカめ、クリブルはその呪いのせいで散々な目に遭ったのだ。怒るに決まっている」と注意をする。
アクリノーレは必死になって謝るがクリブルは許さない。
遂に気絶したアクリノーレを起こして、二度と双子の呪いは使わないことを約束させてから、「変な意味じゃなくて、奥さん達ともエナメノーレとも離れる気はないけど、アクリノーレも遊びに来るといいよ。皆とするのがイヤならたまにならアクリノーレともしてもいいよ」と言うと、アクリノーレは顔を輝かせて「本当?2人きりでしてくれる?キツいことしない?優しくしてくれる?」としつこく確認してきてから納得をすると、「また来るね!」と言って帰って行った。
エナメノーレが面倒くさそうに「何故受け入れた?」と聞いてきたので、「また呪いとかアクリノーレの鎧とか作られるとイヤだから、修行の一環と思う事にしたよ」とクリブルが答える。
エナメノーレは悪い顔で「染まってきたな。偉いぞ」と言うと、服を脱いで「私はまだだ、今日の分を頼むぞ」と言ってクリブルに抱きついた。
生贄の王子。復讐の王子。 さんまぐ @sanma_to_magro
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