最終話:怪しい声

その後も、その古びたショッピングセンターは町の人々から避けられる場所となりました。誰もが幽霊たちの住まう場所として恐れており、日が沈むとその場所からは不気味な光と幽霊たちの気配が漂ってくると言われていました。


町の中で語り継がれる都市伝説によれば、幽霊たちの脅威はショッピングセンターから限られた範囲に留まっているとされています。しかし、誰もその範囲を越えようとはしませんでした。その場所はもはや忌み嫌われる聖域となり、地域の民間信仰に取り込まれるほどの存在になったのです。


町の中で「幽霊の目撃談」と呼ばれる話が多く広がり、人々は深夜のショッピングセンターの近くを通ることを避けました。語り継がれる話の中には、恐ろしい体験をしたとする人々の証言もありました。


「あの廃墟から怪しい声が聞こえたんだよ!」「夜な夜な光が点滅しているんだって!」「ショッピングセンターの窓に顔をした人が見えた!」


町の住民は、その古びたショッピングセンターにまつわる恐怖を口々に話す一方で、近づくことを絶対に避けるようになっていきました。警告の立て札が立てられ、警察による立ち入り禁止区域となるよう働きかけが行われましたが、それでもなお幽霊たちの気配は感じられました。


時が経つにつれ、その古びたショッピングセンターは次第に町の人々の記憶からも薄れていきました。人々は恐ろしい出来事を忘れるようにして生活していきましたが、その廃墟の影響は町に根付いていくようでした。


幽霊たちの存在は、町の文化や芸術にも影響を与えていきました。地元のアーティストたちは、幽霊たちの姿を描いた絵画や幻想的な音楽を創り出し、その存在を表現していくのです。その結果、町は幽霊たちの物語や伝説が組み込まれた魅力的な観光スポットとして知られるようになりました。


しかし、幽霊たちの不気味な存在は町の人々の心に深く刻まれていました。そして、誰もが忘れようとしている古びたショッピングセンターの中で、幽霊たちは永遠に住み続けるのでしょう。彼らの存在は、町の歴史と共に深く根づいた恐怖の対象として、永遠に語り継がれることでしょう。

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幽霊の棲む廃墟 - 深夜のショッピングセンターの恐怖 O.K @kenken1111

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