学園ミステリに新たな名探偵が登場!

  • ★★★ Excellent!!!

いやあ、面白かったです。
分類としては人が死なない日常の謎を扱う学園ミステリです。
そしてその謎を解くのは個性豊かな文学部の部員達。
しかし、今回直接事件に関わるのはその文学部の顧問の教員です。
彼が担任を受け持つのは受験を控えた三年生のクラスで、冬休みを間近に控えたある日、教室で回収した卒業文集の中にとある女子生徒の過去に関する告発文が紛れ込んでいました。
教員は事を大きくするのを避けつつ事態を収束させようと文学部の部員達に実際に何があったかを伏せつつ解決のためのアドバイスを引き出す虚偽の相談をします。
つまり安楽椅子探偵のスタイルですね。
実際に走り回って証言や証拠を集めるのは顧問の先生で、それを元に推理を展開するのは文学部の部員達、という構図です。
正統派の学園ミステリでいながらもこの構図は斬新な切り口だなと思いました。
部員達、特に「ブチョー」のキャラが凄く立っていて、終盤の推理ショーは圧巻の一言。
ミステリ要素に関しても簡単過ぎずかといって難解過ぎない、想定読者層に程よい難易度だと思います。
今回はスカッとする要素もあり、エンターテイメントとしても楽しめました。
学園ミステリの新たな名探偵として今後の活躍にも期待しております。