心臓がなくても、この胸のトキメキは真実

同じ記録を持つからこそのAIの苦悩を描いているところが良い。

自分は所詮、ロボット。
理解しながら、亜衣の記録があるから彼を愛してしまう。
でも、AIロボットのアイとしての記録も持っているので、彼の愛は奥さんのもので、決して自分に向けられないこともわかっている。
このあたりは、実に切ない。

はじめてもらった青いポーチを、亜衣は大事にしていることをしっている。
選べば、亜衣は喜ぶしそれが自分の役割。
それをすれば、余計嫉妬してしまう自分がいるのもわかっている。
ロボットとはいえ、つらい。

「庄司さんにおぶってもらいながら家路に着く」
嫉妬からくる、せめてもの反抗だったかもしれない。