失速し、歪んでゆく世界
saito sekai
シュールな関係
川緣で、日向ぼっこをしていた亀を見た兎は、イタズラ心を発揮して背後からそぉ~と驚かそうとしたが、いち早く察知した亀に、川に逃げられてしまった。その素早さに思わず「亀の奴、案外機敏じゃないか」と兎は唸った。それを聞いていた猫が、「こうなったら、スイカの早食いで亀と勝負したらどうですか?」と提案するので、亀にマウントを取られ、名誉を挽回したい兎はその気になった。がしかし、スイカをどう調達したら良いのか分からず、猫と共に頭を抱えていたところ、亀が現れ「私が畑から取ってくる」と言うではないか。
そうして亀は、畑に忍び込んでスイカを物色しだが、それを人間に見つかったのだった。「この亀、とんでもないな!」すると亀は「竜宮城にお連れしますから、どうか許して下さい」
そして亀とにわか浦島太郎は海に消えて行く。それを憮然と見送る兎と猫。不意に猫が兎に向かって呟いた。
「こんな展開になるなんて…ねぇお母さん」
はぁ?お母さんって…兎は不思議な顔で猫を見つめたが、奇妙な世界に身を投じて行くのが正しい様に思えて、猫と家族になるのことを決めたのだった。 完
失速し、歪んでゆく世界 saito sekai @saitosekai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます