血盟
-------(タウロ視点)-------
「……おじさん、相談したい事ある」
義甥の晃が部屋を訪ねてきた。少し暗い顔をしている。何かあったのだろうか?
このくらいの年齢だと友人と喧嘩でもしたのだろうか?
「どうしました?」
「俺、血盟、悩んでる。……………………おじさんとこに入りたいけど、マルクと一緒のとこにも入りたい。血盟ってふたつ入れる?」
「ふたつは無理ですね」
甥は少しがっかりした顔になってしまった。
「血盟は後でいくらでも変えられます。今は1番入りたいところに入るのがいいと思いますよ?」
甥が自分(の血盟)よりもカオるんを選んだのはほんの少し、癪ではあるが、実際問題としてその選択は正しいと思う。
うちの血盟は現在、『戦闘』メインと『建設』メインのふたつに分けて活動をおこなっている。
勿論、日々の訓練もだ。
子供の晃には厳しいし退屈するのが目に見えている。
その点カオるんの『ハケン』には晃と同年代(肉体年齢だけでなく精神年齢も)が多く居るので晃も楽しめるだろう。
それにキヨカさんと言うマザーも居るので安心だ。
そう言えば先日、カンさんが嘆いていたな。
『翔太がうちの血盟を抜けたんです……。寂しい。子供が大人になっていくって寂しいですね』
いや、カンさん、翔太は大人にはなっていませんよ。どちらかと言うと子供を満喫するために、血盟を移動したんだと思う。
翔太も『ハケン』へ移ったそうだ。
カオるんの『ハケン』は何処を(何を)目指しているのだろうか。
…………いや、特に何処も目指してはいないだろうな。
完
俺得、番外編 くまの香 @papapoo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺得、番外編の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます