天童君には秘密がある 8〈KAC2024最終回〉
ミコト楚良
いろいろあって、日々は過ぎていくの回
〈アールネ・トンプソンのタイプ・インデックス〉とは、世界各地に伝わる昔話をその類型ごとに収集・分類したものだ。
フィンランドと呼ばれた国の民俗学者、A・A・アールネにより編さんされ、かつてのアメリカ合衆国の民話学者、S・トンプソンにより増補改訂されたことから、ふたりの名をとって、こう呼ばれている。
昔話の研究においては分類体系の標準として世界的に用いられている。
以上、ウィキウィキペディアからの抜粋だ。
「それにあてはめると、『
助手は教授にたしかめた。
「そうだ。世界各地に同じような伝説が伝えられている。天から降りてきた
湖水に
実は、その者は
水浴びをしている
眼鏡を失った
そこへ通りかかった振りをしたのだ。眼鏡をかくした者は。
天に帰れなくなった
ある日、
「別の伝承もある」
教授は、もうひとつの説を唱えた。
「かくされた眼鏡はみつからないまま、
「なるほど。能の演目の『
時刻は、お三時だ。
そこには桜の木が何本か植わっている。手近なところで、花見と洒落込もうという算段だ。
「——
助手は、どうにも納得がいかないようだった。
「まぁ。
カフェテリアで、
外のテラス席には誰もいなかった。特等席とばかりに、
座ったところで、助手の携帯が鳴った。
「はい」
報告のみの通話だったようだ。
「
助手がそう呼ぶときは、秘書に切り替わったときだ。
「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れの、その後の足取りをつかんだとのことです。接触しますか」
「ああ。よろしく頼む。それから」
「
「
「——この毎日は奇跡のつみかさねだよ」
テラス席に、ひらりひらりと桜の花びらが舞う。
春だ。
〈
天童君には秘密がある 8〈KAC2024最終回〉 ミコト楚良 @mm_sora_mm
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