第56話 窮地の中のあかり
『ハッハァー!魔法が使えず!飛べず!機動力もないお前らなど余裕だ!!』
猪族の族長が雄たけびと共に大剣を抜き放ち一気に間合いを詰めると、ミズハ隊長に振り下ろした!
ガガンッ!!
『ぐぅ!』
ミズハ隊長は何とか受け流したが、体勢が大きく崩れている!
『もらったぁ!!』
(ミズハ隊長がヤバイッ!!)
族長が吠え、ミズハ隊長へ追い打ちをしようと振りかぶりるのを見て俺が息を呑んだ時、朱里ちゃんが飛び出し族長に斬りかかった!
ミズハ隊長への剣筋を潰すように、突然空気を切り裂いて襲いかかってきた空飛ぶ刀を、
『こんなもので止まるかよっ!』
っと族長が飛んできた刀を手首の返しだけで弾き、追撃に繋げようとしたが…
『なにっ!』
鋭さだけでなく刀だけとは思えない力強さに剣が押し込まれ、慌てて剣を押さえ動きを止めていた。
そして続く朱里ちゃんの連撃に、族長は驚愕の表情で後ろに下がった。
朱里ちゃんは深追いせず、こちらを守るように刀を正眼に構えている。
『何だあの剣は!?魔法か?おいっどうなってやがる!?』
『おやぁ?フーリル族にそれだけの魔法を使うだけの魔力はないはずだけど…そこに居る猿族かなぁ?』
『ならあいつの魔力もなくせ!』
『フーリル族用に魔道具調整したのに無茶言うな。でもフーリル族は無力化したし、後は肉弾戦弱そうなあいつだけだろぉ?(もうドレインをする必要はないし、手の空く周りの奴らにも攻撃させたら余裕じゃないかい?)』
『(それもそうか)』
族長が黒肌で角をもつ男と問答している間に(後半は聞き取れなかったが)、俺はリュノに触れて魔力譲渡した後、急いでミズハ隊長に駆け寄り魔力譲渡を行った。
短い時間で2人とも大量に譲渡とはいかなかったが、多少は戦えるはず。相手も油断しているみたいだし!(ついでに猿族とかうるさいし!)
そうして、今のうちに次はフラナ姫の魔力譲渡をしに向かおうとすると、
『おまえら、猿族に弓だ!』
と族長が怒鳴り、それによって左右と斜め後ろを囲っていた猪族の4人が、手に持っていた何かを置いて弓を引き、同時に俺に向かって矢を放ってきた!!
(っ!!全部防ぐのは無理だ!まさか死ぬ!?)
しかも同時に族長が突っ込んで来た!!
時間の流れがスローモーションになったように感じる中、それを見た朱里ちゃんとリュノは
「モナカなら大丈夫!」『モナカ任せた!』
と言って、朱里ちゃんは族長の迎撃に気合いの声を上げて立ち向かっていき、リュノは反撃に魔力を込め始めた。
そして、四方から鋭い矢が迫る中、モナカがその体を大きく変化させたのだった!
俺にしか見えない妖精に頼まれたので異世界に行ってみることにした 秋空 海 @Yoshi00871
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺にしか見えない妖精に頼まれたので異世界に行ってみることにしたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます