第3話 冤罪、警察、留置所
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私はストーカー行為のあった翌日に、首謀者である赤松氏のやっている飲食店にいました。ここで赤松氏は私に一方的に説教します。女性にあんな文章を送るのは犯罪なのだと。彼は心理学が使えます。ここで私は文章に相手の同意を得ていたことを忘れ、自分が性犯罪者であると洗脳されます。
そして赤松氏は警察に通報します。三十分も経たないで警察はやってきます。非常に手際がいい。車で三台、人数は十名ほどです。スマホを取り上げられ、暗証番号を聞かれ、手錠も掛けられました。明らかな現行犯逮捕です。私は共同謀議だと分かっていましたが、自分があんな文章を送ってしまって悪かったのだと思わされていたので大人しくお縄につきました。お縄につく、この表現しかありません。
私は暴力的に取り押さえられ、独房おそらく留置所にいたのだと思います。ここで警察側と赤松氏にとって思いも寄らないどんでん返しが待ち受けているのです。
警察というか、全てを仕切っている赤松氏がここで仕組もうとした奸計は二つありました。一つは私を変質者扱いして、犯罪者に仕立て上げること。そして司法取引をして日赤相手に一筆書かせる予定だったのでしょう。もう一つは私を赤松氏の店で暴れた精神障害者として、精神鑑定をした上で、日赤に措置入院をさせることです。しかし全て失敗し、逆に日赤と警察は弱みを握られることになります。
私は独房でやることもないし、座禅を組んで、何とかこの場を切り抜けようと何故か思ってしまいました。
三十分ほど経った頃でしょうか。あまりに待たされるので、警察の人間を呼んで文句を言いました。いったいどれほど待たせれば気が済むのか。自分たちが捜査のプロとしてスムーズにことを運ばせられないのかと。はっきりと警察側にプロ意識がないと言ってやりました。まさかこれから取り調べを受ける人間から自分たちの能力不足に対して説教を受けるとは思ってもみなかったでしょう。
今度は警察が私に用がある番でした。警察の人間は言いました。保健師に会って頂けませんか?
私はそこで初めて保健師という職業を知りました。私は変質者として逮捕されているので、何か裸にされたうえで身体検査をされるのではないかと恐怖を感じました。そこで私は何とか誤魔化して会わなくてすむようにしようと知恵を振り絞りました。
私は警察の人間に質問をしました。その人は専門家ですか?この単純な質問ひとつです。保健師がどのような職業かではなく、どのような専門性を持った職業かでもありません。保健師という職業は何らかの「専門家」であるのか。これだけです。
警察の人間はポカンとして答えられませんでした。さらに私は追い討ちをかけました。専門家の定義を警察はどのような把握しているかと聞きました。ますます警察の人間は困惑してしまいました。
これはどのような質問かということを、ここでご説明します。まず専門家とは知識がたくさんあれば「専門家」に値するのか。これはノーです。もし私が何か一つの学問に興味を持って、一生懸命勉強し立派な専門知識を身につけたら専門家を名乗れるでしょうか。無理でしょう。何の保証もありません。
今私は保証と言いました。保証とは誰がどのように与えるのでしょうか。もちろん国家が個人にその資格を付与するのです。つまり制度的保証があって初めて名乗れるものです。専門家とは単に専門知識があったり、優れた技術の持ち主というだけでは名乗れないのです。
私は警察の人間をまた叱りつけました。あなたたちは全くプロ意識がない。一緒に仕事をしている保健師が専門家かどうかすらわからない。専門家とは何かすら把握していない。いったい警察はどうなっているのだ。私はそんな専門家かどうかすらわからない人間と会えるかと言いました。
警察の人間は困り果てて、もういいです、と言ってどこかに行ってしまいました。ここで警察はとんでもない失敗をしてしまいました。私はまだこれがこの先、私に何をもたらすか分かっていませんでした。
これは赤松氏による強制入院にための奸計だったのです。強制の入院つまり措置入院には保健師の検査があり、そこから県知事の許可を得て、初めて患者(つまり私)の同意がなく、入院の運びになります。このような条件で精神病院 (隔離病院)に入院させてしまえば、れっきとした人権侵害であり、警察、病院さらには県知事による犯罪どころか共同謀議となります。つまり「共謀罪」の対象です。
そして私はやることがやはりないのでこれからどうしようかと座禅を組んでさらに考えました。私は数日前に女性に対して手紙を書いていた時のことを思い出していました。そして重要なことに私は気づきました。そうだ。あれは精神的負担を相手にかけないために、細心の注意を払ってデリケートに内容にし、送っても大丈夫かと三度も念を押したのだった。
そして私は留置所から訴えました。私は女性に対して、性的に内容を含むと理解してもらっているし、送っても大丈夫だと許可(同意)を得ています。さらに警察に説明をしました。いいですか。男女が何らかの性行為に及んだ場合を考えてみましょう。同意の上に性行為が終了後、女性側があれは同意がなかったといって訴えたら、逆にそれは男性に対する名誉毀損になるのですよ。私の文章の問題も同じです。私は初めから同意を得ています。
さらに私は訴え警察を追い詰めました。女性が私に名誉毀損をしただけでなく、これを仕組んだ警察と赤松氏は「共謀罪」に当たるのだと。
これが私が植草一秀先生と同じ目に遭ったというあらましです。
留置所に私がいたのは一時間ほどです。二つの奸計は完全に失敗です。私を犯罪者にして司法取引することはできませんでした。措置入院の手続きも取れませんでした。しかし困り果てている赤松氏から命令があったのでしょう。ここから警察はまたとんでもない失敗をやらかします。
留置所の扉は開けられました。堀内さん、ここから出てもらえませんか、と警察は言ってきました。私は弁護士を呼べと言いました。警察はヘラヘラしたままです。どうやら私をここから無理やり引きずり出すことはできないようです。これは私が逮捕されたことの証拠となるでしょう。
外には茶色いサンダルがあり、ここに足を置いてもらえませんかと警察は言ってきました。私は勝ち誇っていたので、一歩外にでてしまいました。そこで私は両手両足を抑えられ、日赤の連行され、保健師の許可がなく強制入院させられることになります。
赤十字conspiracy『週刊金曜日に送った告発文』part1 @manacuba
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