たった一言、これだけ。

【貴方をソラと呼ぶことは、殆ど無かったのではないでしょうか。普段から、渾名で勝手に読んでしまって、ごめんなさい。

 輝こうとする貴方に、言いたいことが一言あって、筆を執りました。

 ……別に、変に身構えろと言いたいわけじゃなくて。なんとなくでいいから、聞いてほしいんです。

 まず、小一からの九年間、私のことを覚えていてくれて、ありがとうございました。会話だって、してくれると思ってなかった。本当に驚いたし、嬉しかった。

 貴方が芸能人になったということを知った時、本当に驚きました。どうして、手を伸ばしたのか。それこそ、最初は本当にわからなかった。

 ソラ、私は、凄く歪な生き物です。きっと、人間にすらなれていない。人になりたいと何度願ったかわからないくらいです。そんな私から言わせれば、貴方はとても、眩しい。

 人にどうこう言われたって、結局は自分で自分を想ってあげないと、きっとだめなんでしょうね。貴方だって、「自分には、特別誇れるものがない」って、言ったくらいなんだから。

 ソラに、伝えるとするならば、伝えていいならば、言わせてほしい。

 貴方は、もう、誰かの輝きになってる。貴方の持つ最大の光は、貴方の「良いところ」でも、「悪いところ」でもなく、貴方の「存在」自体なんだよ。無条件の、輝き。それを、ソラは持ってる。

 知らないだけで、きっと私にもあるんだろうね。信じられないけど。

 ソラ、私は、貴方の存在に、きっと憧れていたんだよ。

 十分頑張っている貴方に、「がんばれ」なんて言わない。ただ、少しでも、前に進もうと思っているなら、私は貴方の背中を押すよ。前に進もうと思ったら、「押して」って声を掛けてくれればいいし、前に行くのが怖かったら、後ろの私にもたれ掛かってくれていい。

 ……随分長くなりました。このあたりで、私はお暇しようと思います。

 忘れないで。何があっても、私は、貴方の味方で在りたい。

 それでは、いつかまた、会えたら。葉月晴夏


P.S.

卒業アルバムに『ナッカ』が書いた「大好きだよ」の意味、私は、どう捉えればいいの?】

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『ナッカ』の輝きを 水浦果林 @03karin

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