此処に生まれた意味を受け止めるから、舞い上がっていけ

家族をなくした者が、どんなふうに悲しみと向き合っていこうとするのか。
その姿の一端が、自身と向き合いさらけ出すように描かれている。

悲しみに暮れている妹を支える経験が、母親と同じ大人の立場になれたし、悲しみと向き合う勇気を手にできた。
だから姉は、「あなたこそが、わたしを強くしてくれたんだもの」と思えた。

安見怜香が、悲しみと向き合って、三女を笑って思い出せるようになるには、困っている人に寄り添ったり助けたり、そういうことをしていく必要があるだろう。
そうやって、互いに助け合いながら誰もが生きていく。

読後、タイトルを読みながら、しみじみと感じた。