母からの手紙(女性ひとり読み)

Danzig

第1話

孤児(みなしご)として育てられた女戦士

両親に捨てられたと想っていた彼女の元に

その昔、両親に仕えていたという男が現れ、

彼女に手紙を渡す

混乱の中渡すことが出来なかったというその手紙とは

母親が娘に充てたものだった・・・・






私の横で眠る 小さな天使


あとどれくらい、

美しいあなたの顔を見つめていられるのでしょう



私はもうすぐ旅立つことになります。


あなたの笑顔をみることもなく旅立った

あなたのお父さんに会いに



あの人にあったら、

あなたの笑顔の美しさを教えてあげましょう


きっと喜ぶと思いますよ


だって私と同じくらい、あなたを愛していますから



あなたが大きくなったら、

どんな恋をするのでしょう


でも、

寂しさから逃げる為に恋をしないでください


その時に落ちる涙は


きっとあなたを苦しめてしまうから



あなたの胸の中に、

小さな小さな礫(つぶて)でも


眩しく、

優しく、

そして温かい


そんな光を見つけたら、

それが愛しいという心


私たちがあなたに教えてあげられなかった


愛という宝物


それを大切に見つめてください。




あなたの歌う声が聞きたかった


光と共に風に舞う

あなたの姿が見たかった


このままあなたと共に過ごす事が出来たとしてら

どんなにか幸せでしょうか・・・・



あなたはもうすぐ一人になってしまいます


あなたには辛い道のりが待っているかもしれません



そんな時


寂しさに、私たちを憎んでもいい


苦しさに、怨んでもいい


私たちがいた事すら

忘れてしまっても構わない



でも、

ただ一つだけ・・・・


あなたは、

まぎれも無く

世界一愛されて

祝福の中でこの世に訪れた

私たちのかけがえのない天使


いつか、

いつか、

それだけはわかって欲しい・・・・




あとどれくらい、

あなたの側に居られるのでしょう



いつまでも、

いつまでも、


こうしてずっと

あなたを見つめていられたらいいのに・・・・


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