伝えたいことしかないのに、何も声が出なくてごめんね

発想や着眼点が面白い。
法律の区分とはいえ、十八歳から大人になる。
十八歳を迎えた主人公が大人になるには、なにかしら乗り越えるべきものがあり、それがまだ未清算だったから、先祖返りではないけれども、えらができて後退した状態に陥ったと考える。
だからプールで死ぬ思いをしながら、親友の岸に、いままで言葉にしてこなかった本音を伝えたことで、元の肺呼吸に戻れたのだろう。
なにをもって大人になるのか。
法律なのか、誕生日がきたからか。
十八歳になったら角や尻尾が生えるというなにかしらの証があればわかりやすい。
本作のような大人になるための儀式があると、子供から大人へと成長できたと思いやすいだろう。