転生悪魔復讐忌憚―両親を殺された悪魔の復讐忌憚―

ちーずけーき

第1話




俺は修司 浩平

自分でいうのもなんだが何の変哲もない公務員だ

でも日常はある日突然崩れる

今まで築いたことが全て、ね...

なんで分かるかって?

俺の日常が今、この瞬間に崩れたからだよ



――ぐちゃり



車にひかれて胴体の肉が引きちぎれる

血がどばどばと体から出ていき凍えるくらいの寒気が全身に襲う

神様なんて信じたことないけど、もしいるなら......もう一回、機会チャンスが欲しかった

ずっと思ってた

何の変哲もない公務員になるんだったら自分の夢をかなえたかった

親孝行出来なかったから、今度は親孝行したい

受験ももっと頑張ればいい仕事につけたかもしれない

あぁ、ごめんな。みんな

後悔ばかりの人生で俺は何をしたかったんだろう

最後の最後でようやく気付いた気がする




――俺は、ただの




それが俺の最後のだった

だがしかし俺はもう一度生を受けた

日本と凄く似ていて似てない世界に



―――○



今世の俺の名前は有馬 庵

一度目の人生のように平凡な小学生の生活を送っていた

なのに、なのに...

一度目と同じ、日常はある時いきなり崩れる

家に帰ると父と母が殺されていた

俺は不幸なのか...?

最初は受け入れられず呆然と遺体を見た

顔は潰され、四肢を捥ぎ取られ胴体は二つに切れていた

床には血痕が付いており犇々と両親が死んだと感じさせられる

俺は、何のために生きていたのか?

二度目もただののか?

あれから何日経ったんだろう?

四日ほど俺は父と母の遺体を抱えていた

遺体には全身に膿が湧き異臭を放っている

だがそんなことも気にしないくらい俺は絶望していた

不意に玄関の扉が開いた

警察が来たのかと思い扉の方を見つめると出てきたのは男性だった

俺の方に歩み寄り男は俺の頭に手を乗せた



「お前、大丈夫か?持ってる死体かなり酷いことになってるぞ?」



能天気な声が俺の頭に響く

掠れる声を振り絞って返事を返そうとした

けど、喉が言う事を効かなくて、思うように返事ができなかった

ただ涙を流すことしかできなかった



「あ~あ、ほーんと通りすがってよかったぜ。魔が発生したっていうから狩りに言ったらこのザマだもんな。それとな小僧、お前。悪魔だぜ?」



男は俺を指さし気楽そうに言った

アクマ?なんだそれ?

今はそれどころじゃなかった

くらくらする頭を必死に回転させ何とか考える



「喉潰れてるから返事できねぇのか...じゃ、しゃーないな。それでなんだがな小僧、もし、お前の両親を殺したヤツが分かると言ったらどうする?だけどコレを言ったら小僧の人生が茨の道になってしまうかもしれないが聞きたいか」



俺は頷いて男の話を聞いた

もう、後戻りはできない

これからの人生、例え復讐に生きることになっても俺は恨まないよ

母さんと父さんの仇を取るまで、待っててくれよ。父さん、母さん

今世も親孝行出来なくてごめんな

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