第10話
男になりたい。それは私の、いや僕の願いだった。
こき使われるだけの下等生物は嫌だった。男になればそんなことはない。女でいれば男に使われるだけの存在。生理だって痛いだけの女への罰でしかない。
女として生きることになんの意味があるだろうか。
僕は男になりたい。
「君のことが好きです。」
のに。どうして告白なんてされてしまったのだろうか。
「女の子だけど強いところとか、好きです。」
女の子は弱くなければいけないのか?いやだ、こき使われるだけの弱い生き物なんて嫌だ。
「可愛らしいというか上品な所作が好きです。」
それでいて上品でいなければならないのか?
「ごめんなさい。」
どうして僕が謝らなければならないのだろうか。頼んだのはあっちでこっちは断る権利があるだけなのに。
「僕よりきっといい人がいるよ。」
恋なんてしたくない。
恋とはどんな感情なんだろうか。
涙の心臓 あぐ @agsannomonokaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。涙の心臓の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます