溶けるバニラ、まだ話していたいな

ロボットは、人間にこき使われるために作られたのだろうか。
ちょっと考えてしまう話である。

「片手間にかき混ぜるメロンソーダーにはアイスがすっかり溶けて潜り込んでいた」の書き方がいい。
飲むよりも、話すことに夢中なのだろう。
あるいは、話すためにカフェに来ているのかもしれない。
主人公の心情が現れていて、いい。

発達したAIを搭載したロボットは、自我を持ちながらも人間に尽くし、人間のいないところで愚痴やボヤキを吐きながら、その日その日を過ごしていく姿がありありと目に浮かんでくる。
実に人間らしい。

カフェでメロンソーダを飲んでいる束の間の時間だけが、自分の時間を持てて、生きていると実感できる瞬間なのかもしれない。