しれっとウェブ小説サイトのタブーを斬ってるナチュラル斬鉄剣エッセイ

――「他人が書いたことは、所詮は他人事」なんですよ。――


③章のコトバだ。
わあ。言っちゃうか。それ言葉にしちゃうか。
よくよく考えてほしい。コレはなかなかな表明である。

 軽く想像をしよう。

 学校でも会社でも親戚でも、とにかく対面の知り合いで想像してみる。
「小説書いてみたんだけど……読んでくれる?」
 ときたとする。
(えっマジ? すげえ読みたい!)
 と思うだろうか。いや、
(え……マジ? すっげえメンドイ)
 と思うだろうか。

 この分かれ道、結局は相手に好意や関心を抱いているかによると思う。
 私はすこし乱読のケがある。さほど意味わからず興味半分な本でもホドホド読めたりする。
 が、毛ほども興味を持てないリアルの知り合いから手渡された原稿は多分、キツイ。絶対キツイ。
 内心で相手が好きだろうと嫌いだろうと、なんか感想は言わなきゃいけなかろうし、すげえ気を遣う。ぜったい経験せず済む方が楽だと思う。

その点ウェブならストレスフリー。誰も傷つかない。深入りしなけりゃ義理も無い。なのに言っちゃった。すごいことだ。

「一見して興味が湧かないなら俺の作品を読まなくて結構」

と言っているに等し……まだ等しくはないが突き詰めるとそうなりかねない。
やわらかい語り口に刃をはらんだ実はロックなエッセイ。

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