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『街の変化に着いていけない殺し屋』

『街の変化に着いていけない殺し屋』

小田舵木

おすすめレビュー

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★★★
★14
5人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 秋島歪理
    307件の
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    ★★★ Excellent!!!

    ハードボイルド(豚骨カタ麺の意)な、男が眺め往く伏魔都市・福岡

    ちょっと未来、かもしれないし――もうこんな事が起き始めているかもしれない。

    かつて生まれ育った自分はローカルな小ネタも含めて存分に愉しんだ。
    だが、福岡に地縁はない、お立ち寄りの経験もない……という方でも読んでいただけると思う。

    およそどんな街も、なにやら独特で臭みがあってときに暴力的なナニカを、その内部に抱えているものだ。
    と、私は思う。

    人の抱く郷愁はただの記憶ではなくて、ふるさとのそういった独自性と分かちがたく、心に染みついて繋がっているものではなかろうか。

    それでも福岡に限らず、「ふるさと」は変わっていく。
    街は変わっていく。
    そこに無常や違和感を感じつつ、やはりかつて自分の一部であった一面にはこだわってしまうし、切り離すことができない。

    そんな心象が精緻に描かれた、美しい一作だと思いました。

    • 2024年1月29日 04:59