参考書を読み解く

「ゼロからの物語づくり!主人公の魅力を描くためのストーリー創作フレームワーク集」より

ヒーローズ・ジャーニーの紹介

ゼロからの物語づくり!主人公を魅力的に描くためのストーリー

をざっと読みました。

解説の内容として、初心者向けに描かれている部分も多々ありますが、面白い作品を捉えるためのフレームワークとしてざっくり解説してくれています。(内容が薄く、読みやすい)

映画や漫画もこのフレームワークとしてとらえることができそうです。

何回かに分けて、要点をまとめていきます。


<はじめに>

この本では、全ての物語を「ヒーローズジャーニー」という枠組みですべてのストーリーのテンプレートとして紹介しようとしています。この枠組みは簡単には桃太郎なんかの昔話として説明できますね。

①旅立ち(冒険への出発)→

②通過儀礼(試練と困難を乗り越えていく過程)→

③帰還(目的を達成した状態)


この枠組みはシンプルですが、解釈を以下に広げることで最近の面白い物語の説明につなげることができます。

旅立ち=平穏な日常を送っていた主人公に事件発生。

通過儀礼=主人公は何とか問題を解決しようと、行動し、大切なことを学び、成長する。

帰還=主人公は最大の障害を乗り越えて問題を解決し、平和な日常が戻る。


大切なのは、ある平穏な日常がデフォルトの状態としてあり、その後過渡的に短期的なイベントが発生して、最終的にもとのデフォルトの状態に戻る。

まとめると、安定→不安定→安定と物語の状態が変化するということです。

特に、安定→不安定→安定といった流れは状態が別の状態に推移する際に、実際の物理現象でも同じように発生するのが面白いところです。

物理現象のフレームワークもまた物語にも適用できるということですね。


<ヒーローズ・ジャーニーの解釈を深める>

この本において、【物語とは「冒険」を描いたものではなく、「主人公」を描いたものである】ということを説明しています。

ヒーローズ・ジャーニーという言葉は、主人公の旅と直訳できます。つまり、主人公の概念がまず前提にあって、その上で主人公を描くためにどうすればいいのかという方法論を論じているということです。

これは、物語にとって主人公がどういった存在かを考えると自明です。読者は数百ページある小説の内容を、主人公の目線を通じて理解しようとします。つまり、読者と筆者のインターフェースである主人公の説明が不適切であると、物語が冗長になってしまうということですね。

読者は、物語に「成長」を期待するとよく言われますが、これこそまさに、主人公が安定→不安定→安定の過程を辿ることが、主人公の「成長」の過程として説明することと同じとして説明できるということです。「成長」を描くということが、「ヒーローズ・ジャーニー」で作られた作品をであるということと同じですね。


ふまえて、ヒーローズ・ジャーニーの枠組みは、主人公の「成長」を読者に対してわかりやすく伝えるという過程にほかならないということだと考えることができます。


「成長」を描くためには、最低限以下の準備が必要ということになります。


1、主人公を作る。

どんな奴が主人公にふさわしいかを作る。


2、主人公の行動を決める

主人公が何をしたら面白いかを決める。


3、主人公がどのように成長するかを決める

主人公がある状態から別の状態にどのように変わるかを決める。


4、ストーリーのあらましを完成させる。

1から3に従って、枝葉を付け加えていく。


<まとめ>

今回は物語の肝である主人公が「成長」を成し遂げるために、「ヒーローズ・ジャーニー」の枠組みが便利であることを紹介しました。言われてみると、当たり前のことですね。

次回は、ヒーローズ・ジャーニーの枠組みを使って物語を組んでいく方法をまとめていきます。





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面白い小説が書きたいけど書けないから辛い ~読者が回想できるような小説はどうすれば書けるのか頑張って考える~ 空色ましろ @siromiuo

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