第5話 それぞれの七夕

いつしか空を見上げることも少なくなった。人工の光に潰された暗闇の中に、もはや肉眼では確認できない天の川を思い描くことは面倒になった。

呪い。

宣言。

白紙。

叫び。

それぞれの短冊。

いつも通り過ぎていく。

ただの暑い1日。

だけどあなたがこの世界の中心に割り込んで来た途端、どこにでもある日常が輝いて見えた。

まだ恋人じゃない。

何も知らない。

だけどあなたのせいで心がさらに暑い。

別れてしまう時の痛みは嫌というほど知っているはずなのに、なぜまた出会いたいと思ってしまうのだろう。川に橋が架かるのを、なぜ待ち望んでしまうのだろう。

布団の上で丸くなる。

今夜はよく眠れない。

星に願いをかけたってどうせ叶わないんだから、自分が動くしかないんだよ。

夜もふけて、星が瞬く、それぞれの七夕。

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七夕の日に何やってんの? 家猫のノラ @ienekononora0116

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